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ただのにっき

2007-06-10(日) [長年日記]

Ruby会議2007 2日目 - 非同期重要

Ruby会議2007、スタッフとして参加、2日目。

スポンサーセッションが今日の担当。交代時間短縮のために、できるだけ共通のPC(というかおれのLet's note)に資料を集めることになっていたのだが、朝、PDFファイルを持ってきた(NaClの)前田さんの手には、SONYのUSBメモリが。お、おれのPCにSONY製品を……くっ、屈辱だ。

セッションの方は、もっと宣伝色の濃いものになるかもと危惧していたが、みなさん空気を読んでくださって、面白いものになった。フォーメーションなど、直前までばたばたしてしまって申しわけなかったです。


その他のセッションは、RubyCocoaの超絶プレゼンとか、MDDとか、もちろんDave Thomasの感涙講演とか、どれもみんな盛り上がったんだけど、ひとつだけ取り上げるとしたらAP4Rだろう。

まじろうネタのおかげで本質が隠れてしまったようだが、非同期メッセージングのプラットフォームがRubyに登場したというのは、とても重要なことだ。おれはこれで、本当の意味でエンタープライズで使える言語になったと思う。

企業の基幹システムを組もうと思ったら、同期だけじゃ何もできない。だから、「Railsでエンタープライズ」なんて話を聞くのはちゃんちゃらおかしかったのである。Webアプリの部分なんて、基幹システムのほんの上っ面だ。裏で動くメッセージングシステムがあって初めて、使えるシステムになる。

と、ここまで書いて、kitajが似たようなことを書いているのに気づいた。彼はエンタープライズ系システムをよく知っているから、説得力があるよね。非同期重要。

じゃあエンタープライズでしか意味がないのかというとそんなことはない。

一般的に同期で処理しているものでも、非同期にすることでユーザビリティを上げられるシーンはいくらでもある。Ajaxのポイントは「A」の部分にあるのであって、LDRなんてそのあたりを最大限に生かしてるからあんなに使いやすいのである。他にも例えばブログツールを作るにしても、pingを飛ばしたりTrackBackを飛ばしたりするのは、本当は非同期でやるべきだ。単に実装が面倒だから、ユーザを待たせて同期処理してるだけであって。

だから、非同期メッセージングのプラットフォームとしても使えるRindaが、Rubyに標準添付されているのはすごいことなんだよ。前日の咳さんのセッションを「去年と同じじゃん」とか言ってる人は、見識を改めるべき。今回、タプルスペースが永続性を与えられて堅牢性が増したことで、Rindaは手軽に使えて(わりと)信頼できる非同期プラットフォームになったのだから。おまえらみんな、Rinda使えってことだ。

というわけで今回のRuby会議、非同期ネタが2つも登場したというポイントが重要なのである。と強調しておこう。プログラムを決めるときに「AP4Rをぜったい入れるべき!」と主張したかいがあったよ。実行委員にはなっとくもんだ(笑)。


つーことで無事終わりました……。みなさん、お疲れさまでした。写真はDave Thomasが残していったメッセージ。Thank you。