ただのにっき
2007-02-24(土) [長年日記]
■ W-ZERO3でメールが受信できなくなったのでPRIN経由で復旧させた
サマリ
WILLCOMメールをW-ZERO3のOutlookで受信できなくなった時は、PRINを経由してPCで受信すると復旧できる。この方法には以下の2点の問題があるが、他の対処策はあるのだろうか?
- W-ZERO3単体で復旧する手段がない
- PRINの利用には別途料金がかかる
kwsk!
Gmailに届いたメールはすべてWILLCOMメールに転送して、W-ZERO3でも受信している。職場や出先でGmailが読めるとは限らないからである。読み物系のメルマガなんかは、自宅で読むよりW-ZERO3に溜めておいて移動中に読む方がいいので、使い放題という料金体系は重宝している。
で、毎朝W-ZERO3には夜のうちに届いたメールが数10通溜まっているのが普通なんだが、今朝は1通も届いていなかった。いぶかしく思って試しに手動で受信操作をしてみたら、80通ほど溜まったメールの、ヘッダ情報の受信中のところでコケている。メッセージは、接続を見直せとか設定を見直せとか、「お前変なことしただろ?」という典型的なユーザ主犯説に立ったものだった。
こんなの、どうみたって不正なメールヘッダを受信して死んでるに違いないじゃないか。おれじゃない、お前(PocketOutlook)のせいだ、ドアホ!!
E-mailのようなオープンな仕様ではどんなイレギュラーなメールが届くかわからないのだから、そういうメールを読み飛ばしたりして他のメール受信に影響を及ぼさないようにするというのは、メールクライアント実装の基本中の基本だ。少なくともPocketOutlookはその基本もできていないことになる。Microsoftは、E-mailが一般に普及して10数年にもなるいうのに、いったい何をしているのだろうか。Windows Mobileが本当にクソなOS(Outlookはアプリだけどさ)だという証拠がまた増えてしまった(SHARPの独自実装部分という可能性もあるけどたぶん違う)。
それはさておき、なんとかしないと今後永遠にW-ZERO3でメールが受信できない。そこで、WILLCOMが運営しているプロバイダPRINに接続して、PCでメールを受信することにした。PRINは別途料金がかかる(上限があるので実質的に定額制)が、日ごろから外出先でW-ZERO3をモデム代わりにしてPCを使っているので、問題ない。
PC上で使っているメールクライアント(おれの場合はBecky!)にWILLCOM用アカウントを作成する。サーバ設定やユーザID/パスワードなどの情報は、PRINにある解説ページを参考にして取得。W-ZERO3をモデムにしてPRINに接続後、Becky!のリモートメールボックス機能を使ってサーバにメールを残したまま不要なメールを削除した。この時点で何が原因のメールなのかはわからなかったが(Becky!はすべて問題なく受信したので)、おおかたspamメールのどれかだろう。
その後PRINとの接続を切り、W-ZERO3単体でメールを受信したところ、残したメールは無事にすべて受信できた。
というわけで、なんとか復旧できたわけだが、そもそもPCを使わないと解決できないとか、PRINのような有料サービスを使わないといけないとか、問題多すぎだっちゅーの。他に方法はないのだろうか?
あー、W-ZERO3上で動くまともなPOP3クライアントを探せばいいのか? と思って調べてみると、標準のtmail.exe(これがPocketOutlookの本体?)を置き換えるアプリがいくつか出ているようだ。
というわけで、評価の高そうなHDMobiMailというのを入れてみた。ブログを拠点で開発されているソフトというのはリンクしづらいなぁ。ここか? しばらく使ってみるつもり。少なくともPOPは速い。でもC#.NET製なので動作は遅い。
■ https://www.amazon.co.jp/dp/9784309621821
日本オリジナル短編集。
アイデアSFとしてみれば、大半がさすがに賞味期限切れで、いまどきこんなネタを読まされてもなぁ……という感想は否めない。たとえば「雷と薔薇」なんて、クサくてたまらんわけ。もちろん、これらの作品が発表されたのは1930〜60年代なわけで、こういう評価はまったくもってフェアではないが、アイデアが陳腐化してしまった時点でSFとしては「負け」だろう。
が、そういう偏見(?)を捨てて読むと、まぁ、実にすばらしい短編集なわけよ、これが。やっぱ短編はいいよ。短いがゆえの濃密な味わいが、なんとも後をひく。
なんてことはない描写に加わったほんの2、3語が、その場面のリアリティを格段に向上させて、まるで自分がそこにいるかのような錯覚をおぼえる。言葉を尽くして冗長な表現をするのは誰にでもできる。しかし、こんな短い作品群でそれをやってのけるとは、スタージョンは魔法使いか。
「孤独の円盤」がかもし出す言いようのない寂しさ。「不思議のひと触れ」における人魚の存在感。「もうひとりのシーリア」で感じる、じわじわ来る恐怖もたまらない。自分がいっしょにクローゼットに入ってるかと思ったよ。
とにかく、どれも気味が悪いほどよくできていて、「さすが」の一言。スタージョンがSFというジャンルに腰を落ち着けていてくれて、本当によかった。