ただのにっき
2006-08-24(木) [長年日記]
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宇宙へのパスポート(3)(笹本 祐一)
読了。
4発のロケットを取材に行って、2発しか上がりませんでした……という話。ロケット取材の過酷さはよくわかったが、あまりに打率が悪すぎる。作者も(自ら文中に書いているように)慣れてきてしまったせいか、前2作のようなピュアな感動が伝わってこないから、なんだか「ロケット打ち上げ」から受ける印象からは、ずいぶん遠ざかった本になってしまっている。このスタイルはもうやめた方がいいんじゃないかなぁ。まぁ、「笹本+松浦の珍道中日記」としては面白いんだけどね……。
とはいえ、「はやぶさ」のパートだけでもそれを補って余りある価値があるわけだが。なにしろ、下手をすると「はやぶさ」をネタにした"松浦本"は2010年か2011年まで出ない可能性があるわけで(もちろん「下手をして」欲しいわけだが)、それまで内情に通じた人の手になる書物はこれしかない。ありがたいではないか。もちろん松浦さんがイトカワ到着着陸までで1冊書いて、「第一部完」とかやってくれてもいいんだが。つーかぜひそれで。