ただのにっき
2006-05-23(火) [長年日記]
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脳のなかの幽霊 (角川21世紀叢書)(ラマチャンドラン,V.S.)
ちょっと古い本だが、ウィッシュリスト消化の一環として。
読んでる間じゅう、後頭部のあたりがゾワゾワと逆立ちっぱなしな感じだった。幻肢をはじめとする人体の不思議現象を、脳の異常を原因とする仮説をたて、それを実証するための簡単な実験を考案して実証する。これこれ! これが科学の醍醐味だ!
とにかく、実験で実証されてないかぎり、どんなに筋が通ったアイデアもあくまで仮説としてしか扱わない、筆者の徹底した態度はすばらしい。脳という得体の知れない対象を相手にしながら、この態度を貫くのは大変だろう。
もっとも、それゆえに実験が追いつかずに仮説のオンパレードになる本書の後半は、前半ほどの説得力はないし、興奮も少ない。だが、前半の実証を背景に、ここまで話を広げるか! という思考実験の行き着く先を見るのは、それはそれで楽しかった。脳はエンターテイメントだねぇ。
ところで、続編も読むべきかな?