ただのにっき
2005-12-14(水) [長年日記]
■ Sleipnir 2.21
2.20にあげてから、社内のいくつかのWebアプリのページでプロセスが死んでしまうようになっていたのだが、原因がよくわからなかった。IE単体だと死なないので、Sleipnir固有の問題なのはたしかなのだが。
で、2.21が出たんだが、
Sleipnir 2.20にブラウジング中にフリーズする不具合がありました。
国際化ドメインが有効で、かつURLに2バイト文字(日本語等)を含む場合に起こりました。
とのこと。リリースノートにもそれらしきことが書いてないけど、いちおうアップデートしてみたら、ピタリと直った。うーん……。
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惑星大怪獣ネガドン [DVD](特撮(映像))
昨日、ちょうど/.Jのトピックスになっていたのを読んでいたら、かみさんからメールでコミックス・ウェーブ川口氏のインタビューへのリンク入りで「今晩J:COMで放送されるから録画せよ」という指令が。へんなシンクロニシティだのぅ。インタビュー記事は、あえて粟津監督でなく出資サイドに話を聞くというところが面白かった。「金は出すけど口は出さない」みたいな姿勢がいいよなー。
で、実は我が家のHDDレコーダー、最近はエラー頻発で満足に録画ができないんだが(たぶんディスクが死にかけている)、なぜか夕べはちゃんと動いたようだ。今朝ざっと見返してみたら、時々ハング(!)するものの、最後まで撮れていた。完全に息の根が止まる前に、DVD-RWにでもコピっておこう(←DVD買わないのかよ!)。
内容に関しては、DVDの発売も明日らしいので、まだ書かない方がいいかな。昭和レトロつーか、いきなり「昭和百年」で吹いたけど、ギャグではない。ストーリーはお約束すぎる感があるけど、30分に収める工夫としてはアリだろう。
フルCGだけあって、凝ったカメラワークができるせいか、下手な怪獣映画には真似のできないダイナミックなアクションシーンが見事。CGと模型の落差がないからかえって自然だし。たしかにこれは必見だ(といっても、対象は1960年代生まれの大きすぎるお友達だろうが)。
一方、フルCGだけあって、人物造形に「不気味の谷」現象が。とくに少女の表情が怖い。いっそ、人間は出さなくても良かったんじゃないかね。興行的にダメかな。
■ Fly Pentop Computer
百式経由。
わぁ、こりゃ面白そうだ。Newton MessagePadのコンセプトを知ったときに近い興奮。初代pilot(Palm)と同じくらい「使ってみたい」と思わせる。まぁ、J-OSの山田さんみたいな勇者が現れて、日本語化してくれないと使えないと思うけど。
ところでこのサイト、ちょっと嬉しい工夫がある。Flashで構築されたデモを操作するのに、このPentop Computerを模したマウスカーソルを使うんだけど、「Left Handed?」っていうアイコンをクリックすると、ちゃんと左手で持った形に変わるんだよ! デモをする少年のひとりもちゃんと一人は左利きだし。日本企業ではぜったいに思いつかないギミック。惚れた。
■
考える脳 考えるコンピューター(ジェフ・ホーキンス)
だいぶ前に買ったんだけどやっと読んだ。
ヴァーナー・ヴィンジが<特異点>と呼ぶ現象がある(SFマガジン2005年12月号で向井さんの翻訳が読める)。人類が、人類を越える知性を発明したら、その知性がさらなる高度な知性を生み出すことを妨げることはできず、結果、知性の向上は幾何級数的な速度で進行し、人類はあっという間に下等生物に成り下がる……という予測である。ありがちなSF的ディストピアではなく、十分に考えうる未来だと思うが、ヴィンジはこれを、2030年までに起きると予想している。
これを読んだとき、「2030年〜? ちょっと無理じゃね?」と思ったんだが、本書を読んで考えが変わった。ジェフ・ホーキンスは、おそらく今から20年くらいの間に<特異点>を生み出すだろう。それほど、本書が述べている「知性」の本質は直感的に正しいように見える。そして、いくつかの技術的なハードルさえクリアすれば、実際に人工の知性を生み出せるに違いないと信じられる。
そうして生み出された人工知性は、おそらく人類とは異質で、かつ、高度になる可能性を持っている。ヤバい。画期的なPDAだった「pilot(現Palm)」もヤバかったが、こっちはもっとヤバい。当局(ってどこ?)は、ジェフを逮捕監禁したほうがいいよ! ヤツを野放しにしたら、人類はおしまいだぁ!
……というくらい面白かった。いや正直、人類の時代はあと20年かも知れんよ。