トップ 最新

ただのにっき

2005-08-21(日) [長年日記]

pictures

銀座のKodak Photo Salonまで出かけて、オカダさんの個展「pictures」を見てきた。

どうもシロウトなものだから、フォトグラファというと「カメラを扱うのがうまい人」と考えがちなんだが、それってプログラマを「キーボードを速く打てる人」と言ってるようなもので、勘違いもいいところだと、いまさらながら認識した。彼らが操っているのはカメラではなく、光そのものなのだな。

今回の被写体は花、それも一輪だけクローズアップといったものが大半なので、構図の介入する余地が極めて少ない。おまけにほとんどがモノクロなので、結果的に光で勝負するしかないという、これはシロウト目にもかなりシビアな状況だとわかる。奇抜な構図で目くらましをかけたり、色で本質をごまかしたりできないわけで、さすがオカダさん、己に厳しい。

プロの手によって操られた「光」が、花びらの上で踊るさまをうまく表現する言葉が見つからないのだが(簡単に表現できたら写真の意味がない)、いろいろ発見があったし、とても楽しめたのは確か。一枚買いたいけど、今は人生で一番貧乏なんだよなぁorz

それはそれとして、何枚かの写真が正面でなく背面から撮影されていて、個人的にはこっちの方が好きだ気づいた。花って、芯よりもガクの方が色気があるように思う。これって、唇や目元よりもうなじが好きつってるようなものか?

『クリスタルサイレンス』を再発見する

Amazonで藤崎慎吾の『ハイドゥナン』を何度か「おすすめ」されていて、なんかハードSFらしいし、買おうかなぁ、でもオカルト色も混じっていそうで悩ましいし、第一値段が高すぎる……と躊躇している。そもそも、同じ作者のの『クリスタルサイレンス』は読んでいるはずなのに、内容はおろか印象も覚えていない。本当に読んだのかどうかも怪しいくらい、まったく覚えていないのである。そんなに印象の薄かった本の作者の新作に、食指が伸びないのはしょうがないわなぁ。

で、かみさんが不要本を外部倉庫(またの名をBookOff)に預けに行くというので、自分も不要本を漁っていたら、書庫の中からその『クリスタルサイレンス』を再発見してしまった。うーんこれは、もう一度読めというSFの神のお告げでしょうか。しょうがねぇ、読むか。

追記

『ハイドゥナン』の方は向井さんの書評を読んで、値段ほどの価値はなさそうだと思った。じゃあやめよう。文庫入りしたら買うかも知れん。でもせっかくだから、『クリスタルサイレンス』は読み返そうかな。向井さんもやっぱり内容を覚えていないというあたりがおかしい。インパクトの弱い人なのかね、藤崎慎吾。