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ただのにっき

2005-08-17(水) [長年日記]

tDiary: amazon.rbの困った余白

先日のファイル名変更事件以来、書影の周辺に余白が付くようになってしまったのが気になってしょうがなかったんだが、今のHTMLを取得する方法だとどうにも限界だな。

HTML中に含まれるイメージファイル名から、余白のないファイル名を導出することはできるんだが、こんどはそのファイルの縦横サイズが分からなくなってしまう。いちおう真面目にwidthとheightを埋め込んでいる今の仕様をあきらめればいいんだが、レベルダウンするのもしゃくにさわる。

Amazon ECSを使えば余白のない書影もサイズもわかるんだが、ユーザが各々、サブスクリプションIDを取得しないと使えないプラグインじゃなぁ……。こういう、利用者が固有IDを取らないと使えないWeb Serviceって、フリーソフトウェアとして配布するのにすげぇ不便。

tDiary: amazon.rbの困った余白(2)

うだうだ言っててもしょうがないので、Amazon ECSを使ったプラグイン、amazon2.rbを書いてみた。その前に、いまだかつてAmazonのWeb Serviceを使ったことがないという事実に愕然としつつ(笑)、SubscriptionIDをGET。すぐに登録できた。

RESTを使って楽をしつつ(→参考サイト。もちろんマニュアルも)、レスポンスはRuby-Amazonは使わずにREXMLで解析。まぁ、ItemLookupしか使わないし、楽なもんだ。amazon.rbを改造して……と考えていたら、なんかレガシーなコードがいっぱいあってイヤになってしまったので、スクラッチから書くことに。

いちばん苦労した(してる)のは、既存のamazon.rbとの互換性確保だったりする。設定画面や国際化もしなきゃいけないので、まだまだ公開には程遠いなぁ。tDiary.Netのamazon.rbはさらにスペシャルな改造をしてあるし、当面は自分の日記だけで使うことになりそうだ。

実践!!IT屋のトヨタ生産方式(富士通プライムソフトテクノロジ)

読む本がないあまり、上司の本棚まで漁るありさま。

本文中には「IT業界初の試み」みたいなことが書いてあるけど、いくらなんでもこれは言いすぎだろう。トヨタ方式とアジャイル開発の相性のよさは、アジャイル開発コミュニティの中ではすでに常識の部類だと思うし(でなければ『リーンソフトウエア開発』なんて本が出るわけがない)、IT業界を見渡せば「トヨタ」を名乗ってはいないもののトヨタ方式に限りなく近いことをやってるベンチャー企業は珍しくないはずだ。

ただ、「比較的古い体質の会社が」「全社的に」「トップダウンで」トヨタ方式に取り組む、というのは、確かに珍しいかもしれない。特に「トップダウンで」というのは重要で、アジャイル開発でも上司の理解があるのとないのとでは、その導入のしやすさに雲泥の差がある。最低でも「見てみぬふり」くらいの協力的な態度が必要なので、社長自ら改革・改善に乗り出してくれるのは、ずいぶん心強いだろう。だからこそ、開発だけでなく「全社的に」適用が可能だったわけで、幸せな会社だよなぁ。

とはいえ、本書はIT企業向けトヨタ方式導入の「教科書」ではない。どうやら自費出版らしく、ロクな編集がついていないようなので、未定義の用語が突然出てきて以降説明なしとか、章立てが論理的じゃないとか、ロクな図表がないとか、書籍としてはかなりお粗末。だからこれを読んでわが社もトヨタ方式を導入!!……なんてことはあり得ない。この本は副読本にして、別の教科書を探すべきだろう。

本書に価値があるとすれば、「プロジェクトX」のような情緒的な部分だ。社長の号令の下、プロジェクトチームが発足し、現場の抵抗にあいながら、少しずつ改善を進めていく……いかにもプロジェクトX的な話運び。同じような境遇にある人が、同志を求めて読む分には、けっこう「あるある〜」的な共感がありそう。