2005-08-13(土) [長年日記]
■ dRubyによる分散・Webプログラミング(関 将俊)
読了。
分散オブジェクトが好きである。好きっつーても、専門的な勉強をしたとか、日ごろからバリバリ使っているとか、そういうレベルでなく、なんとなく好き。分散オブジェクトを扱ってるときって、すごく「コンピューティングしてる」って感じがしない?
といっても、分散してりゃぁなんでも好きかつーとそんなことはない。最初に触ったのはHORBだが、あれはJavaの割にはずいぶん感じがよかった。いきなりホワイトボード(クライアントはApplet)を書いたりして、ずいぶん楽しませてもらった。でもCORBAとかEJBとかになると、分散を感じる前に考えなきゃいけないことが多すぎて、ドライブ感が失われてしまうので好きじゃない。dRubyはその点、ユーザによけいなことを考えさせないような配慮がたくさんなされていて、純粋に「分散を感じる」ことができるので、大好きなシステムなのだ。
本書は、4年前に出た『dRubyによる分散オブジェクトプログラミング』のバージョン2.0というか、そんな位置づけの本である。実は内容的にはずいぶん似通っていて、素材も並べ方が違うだけでほとんど同一。違いはこんなところ?:
- RubyとdRubyの対象バージョンがそれぞれ上がった
- Webアプリケーションの地位が向上
- Rindaの解説が増量
もちろん説明はこなれているし、irbを使って実際に手を動かしながら体験できる点で、本書の方がはるかにわかりやすい。分散オブジェクト体験にはうってつけの本だろう。なんと言っても、dRubyがRubyに標準添付されたことが大きい。Rubyさえ入っていればすぐに試せる。前書では別配布にもかかわらずインストール方法も書かれてなかったしね(あれは当時にしてはずいぶん大胆な割り切りだったと思うが)。
個人的には、Rindaに多くのページが割かれているのが嬉しかった。そこまでの解説を理解していればRindaが裏でどんなことをしているのか想像できる構成だし、使う側に立つと非常に楽に分散システムを組めるのがわかる。使ってみようという気にさせてくれる。
ただ、ちょっと肝心なところに誤植が目立つのが残念(→正誤表)。図3.9はクラス図のはずなのにスクリーンショットが入ってたり。他にもいくつか見つけたんだけど、通勤中に読んでたので付箋紙つけられなかった。すまん。
■ 御殿場、茶目湯殿
お盆休みなのでわりと空いてる。でも、こっちも暑いよ!