ただのにっき
2004-04-30(金) [長年日記]
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結城浩のWiki入門 ~YukiWikiではじめる みんなで作るWebサイト~(結城 浩)
ようやく読んだ。
まず言えることは、『WikiWay』を読んだ人は必ずしも読む必要のある本ではない。内容的にも、構成も、『WikiWay』とかなりかぶっている。ページ数は『WikiWay』よりも格段に少ないのに、なぜか内容が薄くなった感じがしないのが、結城マジックなんだけど……。「さらりと読める」度はかなり高い。
ということで、『WikiWay』の厚さに挫折しちゃった人が再チャレンジしたり、職場やグループにWikiを広めたいと思っている人が布教のために使うのにはうってつけ。
ただ、『WikiWay』と構成が似ているということは、不満な点もまた『WikiWay』と同じということだ。YukiWikiのインストール(それもApacheやPerlを含む)からカスタマイズまでを、あれだけの紙数を費やして説明する必要があるのか。もっと紙数を割くべき場所があるんじゃないか。
Wikiは設置する人の数と、利用する人の数に大きな差がある。インストールガイドは前者のごく少数の人たちにのみ必要な情報だし、それすら、WikiFarmによってスキップ可能だ。Web上にもたっぷり情報がある。つまり、Wikiの利用者全般をターゲット読者にした場合、このインストール解説は読む必要がない人が多数を占めるだろう(個人Wikiが主要ターゲットなら話が別だが)。
一方、Wikiエンジンはツールの表層的な使い方は単純だが、応用範囲が広いから、目に見えないノウハウがすごく多い。最近のトピックだと、「小人さんはいくらたくさんいてもドラスティックな改変をしてくれない問題」とか、「コメント欄の是非問題」とか。コミュニティへの導入や、その後の運営のノウハウもたくさんある(このへんはたぶん次回のWikiばなで?)。
ちょうど、八田さんがWikiを設置したのはいいもののうまく運営できてないなんて話を読んだりして、実はいま、Wiki周辺でもっとも必要とされている技能はこれなんじゃないかと考えているんだが。Wikiは、設置しただけでうまく活用され始めるほど甘いシロモノではないというのはいまや常識。つまり、『ウェブログハンドブック』のWiki版が欲しい時期にあるわけだ。
もっとも、そういう本を出すのは非常に困難だろうとは予想できる。でも、編集者と友好的な関係を築くことにかけては定評のある結城さんなら(笑)、もうちょっと運用寄りに振った本が出せたんじゃないかなー、と思えてしかたがないのである。
■ ブラウザのホームボタン(2)
「戻る」「進む」も、それぞれ「Alt+←」「Alt+→」やマウスジェスチャばかり使っているんだけど、これらのボタンはアクティブ状態によって現在見ているページの状態(前の/先のページがあるかどうか)を知るのに必要なので、外せないのである。