ただのにっき
2004-02-23(月) [長年日記]
■ tDiary: 2.0に向けて
-develの方で「2.0を出すぞ」宣言をした。もう、1.5系の開発を始めてどれくらいになるのか記憶も定かでないくらいである。いい加減出さないとな。というか、「出すぞ宣言」をしないと報告されないバグとか、いっぱいありそうだし(←よくある話)。
で、その前に1.5.7を出す。release candidate扱いである。肉の日に出すかどうかは別にして、早いうちに出して、feature freezeをする。その後、2.0のリリースは比較的短期間で行われるであろう(予想)。
■ Amazonの託卵戦略
Google検索すると、アマゾンの個別商品ページが頭に出てくることが多い理由の一つは、アフィリエイトをやっているからだ。
アフィリエイトに参加しているサイトからの個別商品へのリンクには、個々のアソシエイトIDが埋め込まれているから、URLがすべて異なる。Googleから見るとすべて違うページに見えるはず。だとすれば、それらのリンクはPageRankに集約されないので、アフィリエイトの影響はあり得ない。
しかし、実際AmazonのPageRankが妙に高い以上、なにか理由があるはず。アフィリエイトの影響をPageRankに反映させるためには:
- GoogleBotによるアクセスに限ってアソシエイトIDを取り除いたURLへリダイレクトする(Amazon側の細工)
- AmazonへのPageRankに限ってはアソシエイトIDを考慮しない(Google側の細工)
のいずれかが必要だ。指をくわえて待ってるだけでPageRankが上がるほど、世の中甘くないでしょ。で、指摘するだけでは面白くないので、試してみた。上の「Amazon側の細工」を検証する(Googleが細工をしている可能性は低いし検証困難なので)。下準備は以下のとおり:
- 下記のようにUserAgentを詐称できればブラウザはなんでもいいが、w3mを使った
- w3mのUserAgentを「GoogleBot」に詐称。あえてバージョンなどは含めず
- ~/.w3m/cookieファイルから、amazon.co.jpに関係したクッキーをすべて削除(サインオフしたことになる)。関係ないとは思うが、GoogleBotはAmazonにサインインしていないはずなので、影響を排除するため
上記の条件下でこの日記にアクセスし、適当なアソシエイトID付きのリンクをたどった。ちなみに通常の場合、開かれるページのURLはリンク先と同じ、つまりアソシエイトIDが埋め込まれている。
結果。GoogleBotによるアクセスは、アソシエイトIDの含まれないページにリダイレクトされていることが判明。UserAgentを元に戻してreloadしたらIDを含んだURLになったので、間違いない。Amazonは、Googleの恩恵を積極的に活用する仕掛けをみずから施しているのだ。
ということは、森山説が唱えている因果関係は逆だね。Amazonは、アフィリエイトによってPageRankが上がったことにあとから気づいたのではなく(というか上がりようがない)、Googleの仕組みを利用することでPageRankをみずから上げているのだ。「思いがけないラッキー」どころか、カッコウの託卵にも似た、賢い戦略である。
もっとも、検索エンジンbotに通常と異なったページを食わせるのは、いまさら珍しい話でもないけどな(tDiaryだってやってるし)。もし他のオンラインストアがこれをやってないのだとしたら、そっちの方が怠慢かも知んない。
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プラネテス(4) (モーニング KC)(幸村 誠)
ぶ厚いな、おい!!
実は最近、モーニングは購読していないので(時代はイブニングですよ)、連載は読んでいなかったので、これが初見。なかなか落ち着きのある、幸村誠らしい、いいエンディングじゃないでしょーか。