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ただのにっき

2003-12-16(火) [長年日記]

TungstenE: Agendus 7.0

というわけで、DateBk5を入れてみたわけだが。もうね。典型的を通りすぎて壊滅的なくらいにひどい「機能追加病」にかかっている。メニューは整理されてないは、不必要なまでに細かい設定ができるわ。これは悲惨だなー。ファンは少なくないようだが、おれにはとても使えない。

というわけで代わりを探す。DateBkシリーズを手放せない理由として「Float」の存在がある。チェックボックス付きのスケジュールというか、当日になるまで登場しないTodoというか、とにかく便利なのだ。本の発売日なんかはこれでないとやってられない。というわけで、Float相当の機能が必須条件になる。

昨日ツッコミで教えてもらったたこスケや、KsDatebookなんかも見てみたけど、Floatに相当する機能はなさげ。で、CLIEユーザのカズタカ君(仮名)がAgendusのTodoはそれっぽいことができると言うので入れてみた。最新の7.0。

AgendusのTodoは、締切の何日前からカレンダーに登場させるかを選べるので、これを「None」にすれば、Floatライクな運用が可能なようだ。これをスケジュールに変換できれば最高なんだが(追記: できることが判明)、いちおう条件クリア。なにより、DateBkみたいに各エントリに変なNoteを付加しないので、他のソフトとの相互運用がスムーズなのもいい。プログラムサイズはDateBk5とほぼ同等だが、機能の刈り込みのセンスがいいので、直感的に使える。高機能とPalmらしさの間でうまくバランスを取っている感じ。小さいフォントも選べるし、デザインセンスもDateBkとは雲泥の差。しばらく使ってみるか。

唯一の問題は、Todoのカテゴリを変更しようとすると確実にFatal Errorということなんだけど(笑)。原因はどこだ〜。いずれ直るならいいんだがなー。

オープンソースビジネスは成立するか?

via Matzにっき

Web Publisherって、最近プロモーションが激しいなー、と思っていたが、こういう考え方の人が作っていたのか。「作者がオープンソース関連ビジネスをしなきゃダメ」ってのは、同意はできないけど面白いスタンスだねぇ。

開発者として、オープンソースだけでメシが食っていけるならそれに越したことはない。おれもつい先日、某誌から受けたインタビューで「できることならそうしたい」と言ったし。Linux KernelやRuby、それからWeb Publisherのようなインフラに近いプロダクトは寿命が長いので、うまくすれば継続して収入をもたらしてくれる可能性は高い。逆にアプリケーションは寿命が短いので、そのプロダクトだけで食っていくのは難しいだろう。

しかし新陳代謝の激しい業界である。いくら寿命の長いソフトを作っても、いずれは使われなくなる時が来る。その時のことまで考えたライフプランニングはあるのか。例えば単一のソフトウェアプロダクトを元に興されたベンチャー企業が、製品寿命を越えて生き延びるために買収や合併を繰り返すのと同様、オープンソースの作者だって(それで食っていくなら)より長く生き延びる方法を考えなくては。

しかし、残念ながら個人が一生の間に複数の「ヒット作」を生み出すことは稀である。ということは、企業に雇用されて開発を続けられる環境を得ても、いずれはお払い箱になる。元ネタの文書では、立ち上げ時の困難には触れているが、終焉の時については考慮していない。その時、別の仕事につけるだけの、プロダクトに依存しないスキルが身についているだろうか。ここに「作者みずからがオープンソースの開発で食っていく」という立場の危うさがあるように思う。「プロダクト・ドリヴン」な生き方は、けっこう度胸が必要な生き方ではないか。

……なんてことを考えるのは、年を取った証拠かも知れないなぁ。