ただのにっき
2000-11-08(水) [長年日記]
■ OmniRemote
OmniRemoteで、車のキーレスエントリー用リモコンを学習させてみた。画面に巨大なボタンを1個だけ持つ新しいカテゴリを作って、リモコンの信号を学習。Platinumを車に向けて画面をタップすると……あらー。開いちゃったよ。セキュリティ皆無だな、おい。いいのか、こんなことで。
■ Visor代替ケース
Visor-Valley MLで、Visorのリプレイス筐体が欲しいという話があったので、こっちにGeminiを通じてわかったことをいくつかメモっておく。
プラスチックのケースを作るには、2通りの方法がある。自分で型を作ってレジンやエポキシで作る方法と、業者に金型を作らせてABSで作る方法だ。前者は手軽でコストも低いが、精度や強度が出なかったりする。後者はなによりも金型のコストが高いが(数100万かかることも珍しくない)、出来上がりは良い。早い話が、前者は趣味の少量生産向き、後者は大量に作って商売する向き。我々はGeminiをやるとき、業者へのコネがあったので(少し)金型が安くなりそうだということで後者を採用した。もちろん、ABSの方が品質が良いからだ。長く使いたいと思ったらABSで作るしかない。
ただし、ご存じのように金型作りにはかなりの工数がかかる。PalmIII用のCoolColorsはずいぶん発売予定を遅らせたし、Geminiも結局1年近くかかってしまっている。完全に時期を逸したGeminiはまだ在庫をずいぶん残してしまうことになった(泣)。国内ユーザにはおおむね行き渡ってしまったので、頼りは海外販売だ。誰か、外国のバイヤー紹介してください(笑)。
さらに、金型の設計も実は大変。設計図があるわけではないので、実物から採寸しなければならない。これだと、元とまったく同じものを作るのはすごく難しい。CoolColorsの電池蓋がうまくはまらないというのは有名な話だし、Geminiの場合は同じはずのpilot/PalmPilot/WorkPadの筐体が少しずつ違っていたという事実に愕然としたこともあった(少しずつ改良されていたわけ)。というわけで、本格的なプラスチックケース作りはとてもリスクが高くて難しいということ。
Visorに目を移すと、現行製品であることから、Geminiのように売り時を逃す可能性はないように見える。が、HandspringがいつVisorの筐体デザインを変えないとも限らない。実際、Prismの筐体は従来とは非互換だ。現行製品でなくなったとたんに数をさばくことは非常に困難になる。だから、今から製作を開始するのは遅すぎる気がする。
ただし、手っ取り早くリプレイス筐体を入手する方法は、ある。金型を作らない方法だ。といっても、レジンやエポキシでしこしこ作れと言っているわけではない。有り物の金型を使う方法だ。どこにそんなものが? あるでしょ、Handspring社に(笑)。いや、けっこうマジで言っている。Handspring社にリプレイス用の筐体を作ってもらえばいい。ユーザが団結して交渉すれば不可能ではないと思う。企業向けでなく、本当にコンシューマ向けのPalmデバイスを作るためにスピンアウトしたジェフやロブなら、なんとか実現してくれそうな気がするでしょう? ただし、Handspring社がVisorの分解を前提とする商品を売るとは思えないので、ユーザ側もちゃんと法人を立てて販売を請け負うようにしなければなるまい。それも、日本だけでなく世界に売れる法人がいい。国内だけでは数をさばけないのは目に見えてるからね。
というわけで、おれは「ユーザの声を代弁してくれる企業を探して、Handspring社に生産してもらう」という提案をする。不可能ではない、と思う。でも、Project Geminiは乗らないよ、赤字が解消するまで冒険しないと決めてるから(笑)。問題は、どれだけのユーザの声が集まるかだろう。昔のPalmはけっこう高かったので、けっこう「濃い」人が使っていたからああいう製品(クリアカラーケース)がかなり売れたけど、コンシューマを対象にして安く、その上もともとクリアカラーを採用しているVisorユーザに、着せ替えを希望する人がどれほどいるか。Visor-Valleyのアンケートで得票数がたった150程度じゃなぁ。Geminiですらアンケート時にはすぐにこの10倍くらい集まったからねぇ。