ただのにっき
2014-10-05(日) [長年日記]
■ 「THE IDOLM@STER 9th ANNIVERSARY WE ARE M@STERPIECE!!」- 春香と千早の物語
昨日に引き続き、アイマス9thツアー東京公演に参加。本日、千秋楽。予定通りライブビューイングで。新百合ヶ丘の映画館には初めて来たけど、駅から濡れずに来られるのは良いね(台風18号が接近中だったのである)。ただ、都心近郊の会場に比べると集まったPたちの練度は高くなく、コールなんかもすごく盛り上がるという感じではなかった。そういうのを求める向きはバルトやブルクのチケットを取らないとダメってことか*1。
さて、昨日「あれ?」と思って今日はさらにあからさまだったんだけど、この東京公演って、えりりんとミンゴスの舞台なんだね? そう考えるといろいろしっくりくるし、この2人なら「他にもメンバーいるんだからゴニョゴニョ」みたいな批判もあまりする気にはならない。
- この2人と同じくらいリスペクトしないといけない直ちゃんは産休中
- この2人にアッキーを加えたいつものトップ3というパターンも考慮する必要がない
- 来年は10thでいろいろ縛りがきつそうだから、自由なことができるチャンスは今しかない
- そもそもこの2人にとって今年は事実上の10周年じゃないか(本当はもっと長いけど)
- 劇場版VideoM@ster上映中で数日後にはBD発売を控えるアニメを総括するには絶好のタイミング
……みたいな。最後のはけっこう重要で、通して見るとアニメは春香と千早の物語だとわかるから、やっぱり表に立てるならこの2人なのだ。セットリストだってTVアニメOPの「READY!!」で始めて「M@STERPIECE」と「虹色ミラクル」で締めてるし*2。つまり2人の10周年を記念して、最終日にねぎらおう……という筋書きなんじゃないか。あんだけ働かせておいてねぎらうもないもんだけど(笑)。
というわけで昨日の続き:
中村繪里子 (天海春香役)
えりりんは(語弊のある書き方だけど)ぜんぜん「春香になろう」とはしてないよね。ステージ上では自身の力でアイドルになろうとしているし、じっさいまごうことなきアイドルだった。この人がアイドルじゃなかったら他にアイドルなんていないと言えるくらいに、素晴らしくアイドルしてた。その姿でよりによって「私はアイドル♡」を歌うなんて、反則にもほどがある。
で、春香らしさをまったく追求してないにもかかわらず、それで良いと思えるのは、たぶん春香と同じ方角を見ているからなんじゃないかなぁ。同一化するのではなく、同じ道を志すことで別の次元で一体化しているというか。これってほんと稀有な状態で、互いに相手を輝かせている感じがしてすごく好き。
じゃあつまり中村繪里子を得たこと自体がアイマスの奇跡なのかというとそうでもなくて、やっぱり9年間、いや10年以上にわたって春香といっしょに歩んできたからいまの彼女があるのは間違いなくて、やっぱり2人は一体なのだ。いや何書いてるのか自分でもさっぱりわかんないんだけどまぁいいんだよ。
2日間のソロコーナーで6曲歌ったのはこの人とミンゴスだけで*3、やっぱり特別扱いなのだとわかるけど、その6曲がどれも素晴らしくて嬉しくなってしまう。かつてアイマス声優の歌唱力に不安を抱かせた「太陽のジェラシー」についにリベンジしてみせたし、ひさびさの「I Want」は最近「乙女~」ばかりだった(主に聞き手の)不満を吹っ飛ばすようなはじけっぷりで伝説級。もうこの6曲だけで金とっていいよと思った。
#ところで中村先生、本当に前髪短すぎです(笑)。
今井麻美 (如月千早役)
一方ミンゴスは、いかに千早になるかを追求し続けてきた10年間なんじゃないかと思う。内なる千早が目指す高みを目標に設定して、それを乗り越えることに執着してきた。「Fate of the World」を歌いながら上手から下手まで全力ダッシュしても音程がぜんぜんぶれないのに驚愕したけど、千早だったら「できて当然」って言うと思う。千早がそう言うならミンゴスはやらねばならないのだ。想像上の人物の目標を生身の人間がクリアするなんて無茶苦茶だ。でもミンゴスはそれをやるのだ。
そんなミンゴス/千早だから「約束」はやっぱり一人では歌えなくて、そしてアニメと同じように仲間たちのちからを借りて復活する。最終日の「約束」はそういう演出を狙っているのは間違いないけれど、2度目の中断はミンゴスの内なる千早が物語上の765プロアイドルたちを呼び出してステージ上で20話を再現したのだ。狙ってやるにはできすぎていたこれもまた、ミンゴスが千早であることを追求しつづけた結果としての奇跡だろう。
春香と一体化しないえりりんと、千早と一体化しようとするミンゴス。もし2人が同じスタイルだったらきっとこの奇跡は起きなかった。そう思う。
#そういえばミンゴスはイヤモニも千早色なのだった。
ランティス
¥20,980
劇場版のタイトルが「輝きの向こう側へ!」で、劇中でも輝きの向こう側に何があるんだろうという問いかけがあり、われわれプロデューサーもその問いかけをさんざん考えたけれど、少なくとも劇中でその答えは出されなかった。でも最後のMCでえりりんがこの先10年、20年続けていきたいという、本来なら10thあたりで言うべきことを言ってしまって──これもまたこの公演が真の10周年である証なのだけど──薄々感づいていた「答え」が見えたのだと思う。
輝きの向こう側には、依然として光り輝く未来があったのだ。あまりにまぶしくてそこに何があるのかわからないけど、それでも向こう側を目指す旅はまだまだ続くのだ。それを天海春香と如月千早は、中村繪里子と今井麻美は見せてくれた。2人と、2人を支え続けてきた同僚諸君に感謝を。来年の10thと、そのさらに先が本当に楽しみだ。