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ただのにっき

2012-01-31(火) [長年日記]

コンタクト〈上〉 (新潮文庫)(カール・セーガン)

引き続き懐古読書。もうこの先ずっと、死ぬまで古い紙の本をBOOKOFFで探して自炊して読むという生活が続くのかも知れんねぇ。

さて。どういうわけかビミョウな評価の映画が好きで、「コンタクト」もそのひとつなんだけど(だいたいパラボラ補正のせい)、なぜか原作は読んだことがなかったので手にとってみたのだった。映画とはそうとう違っていてびっくりした。大筋に違いはないんだけど、ストーリーはかなりちがうし、登場人物の性格付けや関係も異なる。どっちが良いとか悪いとかではなく、メディアの違いがうまく生かされていてどっちもいいなぁという感想。

映画はなんといっても地球からずーっとカメラが引いていく冒頭シーンや、エリーがVLAの下で最初に電波を捉えるシーンは、そりゃぁもうゾクゾクするくらい素晴らしいのだけど、小説ではわりとあっさり。とくに電波を捉えるシーンはさすがに小説のほうが科学的には正しいのだけど、ここは絵的なインパクトやスピード感を優先した映画を推したい。脚本家と監督はGJだ。

一方、映画ではなんとも納得感の弱い終盤は、がぜん小説の方が良い。映画というメディアで、科学と宗教との関わりをアメリカの文化的制約のもとで描こうとするとああなるのは仕方がないかなぁという諦めがある。しかし小説の方は妥協しないというか、しっかり宗教への配慮はみせつつも、ちゃんとラストでは科学的な立脚点を貫くあたりが、さすがセーガン。

時間的制約の大きい映画ではステレオタイプになってしまう人物造形も、小説ではだいぶ描きこまれていて、セーガンの小説なんてなぁと読まずにいたのが申しわけない。ドラムリンは映画ほどひどい人物ではないし、(映画とは家族構成が異なる)エリーの成長もとてもよい。

でもまぁ、やっぱ映画だな。アレシボ! VLA!

コンタクト 特別版 [DVD]
ジョディ・フォスター
ワーナー・ホーム・ビデオ
¥1,100

BDも出てるのかぁ。ぐぬぬ:

B003GQSXYA

小説:

コンタクト〈上〉 (新潮文庫)
カール・セーガン
新潮社
¥349

コンタクト〈下〉 (新潮文庫)
カール・セーガン
新潮社
¥94

Tags: book