2011-09-18(日) [長年日記]
■ 茨城県のパラボラアンテナを訪ね歩……いや走る
3連休なので、夏の間さっぱり乗れなかったバイクに乗ろう、それもできれば長距離乗ろうと決心し(まだ暑いのでわりと強い決心が必要)、だったら茨城あたりまで足を伸ばそうということで、2004年の4月10日と4月11日に行って以来の巡礼へ。ただ、今回は日帰りなので逆回り&ショートバージョン。
まずはできるだけすばやく北上しようということで、5時発、東名→首都高→常磐へ。東へ向かうのはものすごく久しぶりで、その証拠に例の「ぐるぐる」も初めて通った。それはまぁいいんだけど、そのあとの山手トンネルはめちゃめちゃ気温が高くて(たぶん40℃超えてる)、延々と熱風にあてられてミイラになるかと思った。首都高はバイクに厳しいなぁ。
旧KDDI茨城衛星通信所
ここの一般名称というか総称はなんと呼んだらいいんだろうねぇ。電波天文台に生まれ変わった2基の32mアンテナのうち高萩側にあるものは、立ち入り禁止だったKDDI時代とは違い、すぐそばまで接近できる。いい時代になったものです。日立側のは敷地への立ち入り禁止なんだけど。公園の桜並木は健在なので、また桜の季節に再訪したいもの。
ところですぐ近くにあったNTTの十王衛星通信地球局、なくなったとは聞いていたけど、ちょっと寄ってみたら本当に跡形もなく消え去っていた。残るはフェンスのみ。3基の同口径アンテナが同じ方を向いて並んでいるのはいい風景だったんだけどなぁ。かつての勇姿はこちらで。
NTTドコモ揚枝方衛星通信所
ちょっと北上して揚枝方へ。相変わらず、ナビがなかったらぜったい辿りつけない自信がある。
それはそれとして、しばらく見ないでいたら、ずいぶん薄汚れちゃって。たまには掃除してやって下さいよ、ドコモさん。
鹿島宇宙通信研究センター
揚枝方から南下してくると、常陸太田にも寄れるんだけど、あそこは遠くから狙わないといけないから木々の葉が邪魔な季節に行くのは不正解。なので次の機会に譲るとして、ずばーっと南下して鹿島まで。こないだの公開日には行けなかったけど、その時の写真を見たらどうもペイントし直したようだったので確認。
いやー、ピッカピカになってたよ。写真によると主鏡の内側になにやら字も描かれているようなんだけど、今日は「お休み姿勢」だったのでそこまでは確認できず。来年の公開日には絶対に行かなくては。というかここのアンテナ、公開日以外に動いてるところを見たことがないんだけど。
そういえば、34mの目の前の土地が分譲中なんだけど、パラボラクラスタのだれか、家建てませんかね? 朝、窓を開けると目の前にババンと日本で3番目に大きなアンテナですよ。
国土地理院つくばVLBI観測局
そろそろ陽が傾き始めてるのでこれで最後ということで、つくばへ。10月にTSCの公開があるのでそれに合わせて来てもいいのだけど、これだけいい天気なら見ておいて損はない。
で、つくば市街に入って遠くからアンテナが見えてくる。日曜だし、たぶん「お休み姿勢」だと思っていたら、なんか傾いてる。しかも、遠目にもグリグリ動いているのがわかる。ぎえー、(たぶん)国内2位の高機動アンテナの稼働シーン! これを見逃してはなるものか。
慌てすぎて裏門(閉まってる)に突っ込みそうになったり、表門までの周回路がやたら長くてキレそうになったりしつつ、やっと現地着。アンテナ直近の駐車場(本館からは遠く離れているので誰も使わない)にバイクを停めて、カメラを片手に走り寄る。その間にもけっこう頻繁にグイングインと動き回っていて、今日はなかなかサービスが良い。ちょうど180度近く回頭するシーンが撮れたのでYouTubeにうp。
セミの声なんかが入っているのも季節感があってよかろう。止まったあと、しばらくの間けっこう大きな「ギシギシ」という軋み音がしたりして、精度の高いアンテナだけどやっぱり相当な重量があるんだよなぁとわかる。それにしても、動くと印象が変わるねぇ、アンテナは。いままで「なんだかぼってりしていてダサい」とか言っててすまんかった、あんたカッコイイよ。
その他の写真はPicasa Webアルバムにて。
上の写真は揚枝方周辺の田んぼで。さすが茨城は取り入れ間近な水田がたくさんあって、この季節はきれいですな。茨城も震災でけっこうな被害を受けているはずで、実際海沿いの道では「地震の影響による下水道工事中」なんて場所があちこちにあるし、利根川を渡る大きな橋がまだ通行止めだったりして、その爪あとはまだまだ生々しかったりするのだけど。
そんなわけで、今日は4ヶ所回って帰宅。パラ充乙。帰りも山手トンネルに突撃して熱射病になりかかったりして、あの道はちょっとシャレにならんぞ。とはいえ混んでるのが明らかなC1通るのもなんだしなぁ。
2011-09-17(土) [長年日記]
■ ドーラ、医者が嫌いになる
![[写真]拘束用の檻に入れられたドーラ [写真]拘束用の檻に入れられたドーラ](https://lh3.ggpht.com/-CKcS5th0xqo/TnSRMtuArkI/AAAAAAAAzYw/yWq7npfQjy0/s512/IMAG0768.jpg)
ドーラがワクチン接種の季節になったので病院へ連れていった。ドーラ用のキャリーバッグを用意して、蓋を開けておいたらいつの間にかグスタフが入っていたといった前座的なできごとがあったがそれは本題ではない。
これまでドーラは病院に行っても平然としていて、注射もへっちゃらだったのだけど、今日は着いたとたんに不安そうな声で鳴き始め、診察台に載せたらグスタフそっくりの声で「フーッ」とか「ぐるるるるぅ」とかいって怒る怒る。おれの顔とグスタフを関連付けて覚えている院長がすかさず拘束用の檻を取り出したので、しかたなく放り込んだ。
グスタフみたいにおもらしはしなかったものの、そのまま最後まで落ち着くことはなく。やっぱり、避妊手術で痛い&怖いメにあったから、病院が嫌いになっちゃったのかなー。(特に根拠はないけど)ドーラはいつまでも平然としているもんだと思ってたんだが。こうやって、年々通院が難しくなるのか、猫って。
2011-09-16(金) [長年日記]
■ オライリーは電子書籍と一緒に「安心」を売っている
(書いてあったのに公開するのを忘れていたことに気づいた9/19公開)
今日、IDEA*IDEAのAndroidマーケットでオライリー本がすごく安いといった記事が流れていて、それはまぁいいんだけど(英語の話だし)、ちょっと見過ごせない言葉が:
↑ さらにExportもできるだと・・・。これを使えば好きなリーダー使うことができますね(しかしグレーな機能だな、これ・・・)。
1冊1冊が独立したAndroidアプリになっていて、EPUBファイルをエクスポートできるという機能のところなんだけど、「グレー」ってなんやねん。Tim O'Reillyインタビューを読めばわかるが、オライリーの電子書籍にDRMは使われないし、TimのスタンスからしてEPUBエクスポートなんてむしろできて当然の機能なんだけど。
オライリーはこういうところに本当に心を砕いているなぁというか、紙の書籍から電子書籍に移行するにあたって、紙のポータビリティを可能な限り満たそうとしてるように感じるんだよね。現在、もっとも「寿命」の長そうな電子書籍フォーマットはEPUBだと思うけど、これにDRMがかけないということは、仮にオライリーが潰れても、そしてEPUBビューアが存在しなくなっても、コンピュータさえあれば読むことができる*1。「目」さえあれば読むことができる紙の本に肉薄しようと思ったら、DRMフリーのEPUB、これしか選択肢はない(次点はPDF)。
データさえ手元にあれば、将来に渡って読み返すことができる。それも誰に制限されることなく。本を買う側にとって、これがどれだけ安心できることか、説明不要だろう。オライリーの電子書籍を買うという行為には、この「安心感」が付いてくる。値段なんかより、このことの方がよっぽど重要だ。
ひるがえって日本では、「ガラパゴス」進化せず シャープ、9月末で販売終了 「iPad」に対抗できずというニュースが流れてちょっとした騒ぎになったりする。冷静に考えれば、他社を巻き込んで拡大路線にあるGALAPAGOS「サービス」がそう簡単に終わるわけがないわけで、これは単にGALAPAGOS「専用端末」の販売終了というニュースにすぎないとわかる。だが、(記事のタイトルがあからさまなミスリードとはいえ)市場の反応はそうではなかった。おかげで慌ててシャープ担当役員、「GALAPAGOSは決して撤退しない」と釈明する始末。
こんな反応をされてしまうのも、採算がとれなくなったらすぐに撤退するんじゃないかという疑いを持たれているからであって、それを払拭する努力もしなければ、仮に撤退しても買った本が確実に読めるという保証もしてくれないからだ。特定の端末でしか読めない本なんて怖くて買えないし、ましてやその継続性に疑問があったら手を出す気にもなれない。なにしろシャープは既存のSpace Townを閉鎖してGALAPAGOSへ誘導するなど、囲い込みに懸命なのがミエミエで、今後閲覧環境が拡大するとは信じられないわけで、今回の市場の反応はその「不安」がみごとに現れていたと思う。
もうちょっとオライリーの考え方を見習ってくれないと、国内のサービスから電子書籍を買いたいとは思えないんだよねぇ*2。
とはいえ、こういう文句を言うのは、年間数十万円以上を本代につぎ込み、家の床が抜けるほど本を溜め込むようなタイプの人々だけかも知れない。そしていま、電子書籍に乗り出そうとしている日本の企業が相手にしているのは、そういう人たちではない、という仮説も成立する。
ではどういう人たちを想定顧客にしているのかというと、本を単なる消費財として考えている人たちだ。読み終えた本を家に置かずにすぐさま捨てたり、ブックオフに売り払ったりする人たちがいる。音質が悪くても、機種変したら消えてしまうことがわかっていても、ネットからDRMガチガチの音楽データを買うような人たちも、この国には大勢いる。彼らなら、いま各社が進めている「囲い込み型の電子書店」でも本を買ってくれるかも知れない。
もしそうだとすれば、そしてiTunes PlusやAmazon MP3にいつまでたっても国内レーベルの音楽が増えないという現状から推論すれば、オライリーのような理想的な電子書籍を日本では決して買うことができないということにもなるのかも知れない。悲しいことだが、仮にそれで市場が成立してしまえば、そういうことになるだろう。
そういう意味で、出版デジタル機構には少しだけ期待している。というのも、この組織が国立国会図書館の長尾館長の構想を受けてのものだと理解しているからなんだけど。と、OnDeck 007号を読んでそう思ったのであった。
◆ smbd [山手トンネルは熱さ厳しいですねぇ。夏に通ると死ぬかと思います。とくに新宿方面から東名に行く方向が、途中1車線になって..]