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ただのにっき

2011-08-16(火) [長年日記]

EPUB→mobi変換はcalibreに限る (または「kindlegen使えねー」)

DevLOVE HangarFlight Experiences』を買った。なにげに達人出版会から初購入。今まで刊行されたラインナップはさすがにとんがった(つまりニッチな)書籍が多くて、ちょっと手が出なかったんだけど、エッセイ集なら手軽でいいね。といってもDevLOVEな人たちの文章は読んだことがない(と思う)ので、どんなものかも知らずに買っているんだけど(笑)。

DevLOVE HangarFlight Experiences
DevLOVE Pub
836円

で、達人出版会がリリースしているフォーマットはEPUBとPDF、Kindleで読むならもちろんPDF……ではなく、EPUBである。PDFは(やはり)余白が邪魔なので。ただし、EPUBはそのままでは読めないので、mobi形式に変換する必要がある。これができるのも、DRMフリーな達人出版会ならでは。

というわけでEPUB→mobi変換をするわけだが、オーソドックスにやるならまずはAmazon謹製の「Kindlegen」を使う。これを(お好きなOS向けのを入手して)こんな感じに変換すればよい。

%  kindlegen DevLOVEHangarFlightExperiences-0.9.0.epub -o DevLOVEHangarFlightExperiences.mobi -unicode

ただ、kindlegenコマンドのEPUB解釈能力はそうとう低いので、レイアウトの再現性がかなり落ちる。下のスクリーンショットの左側がkindlegenを使った結果のmobiファイルをKindleで表示したものだが、目次の箇条書きがつながってしまっているのがわかる。他にも改行すべきところでされない現象がけっこうあるので、正直使い物にならない*1

で、何を使うかというと、「calibre」である。

普通にGUIなソフトなので、D&DでEPUBを登録し、書籍変換でmobiに出力、あとはKindleに送るだけ。上のスクリーンショットの右側がcalibreで変換したEPUB。かなりいい感じに再現できているのがわかる。というか、calibreの変換能力はかなりすごいと思う*2

これまでも、mobiファイルの配布がなかった初期の「OnDeck」もこれで読めていたし、先日発表になった「Gihyo Digital Publishing」もEPUB3で出す上に推奨閲覧環境としてcalibreを上げているくらいなので、今後はcalibreなしではKindleライフは送れないということになりそうだ*3

Tags: ebook

*1 いちおうAmazonを擁護しておくと、自分でOPFファイルやHTML/CSSを用意してkindlegenでmobiを作る場合は、(癖はあるものの)きちんとしたレイアウトの電子書籍を作ることができる。

*2 ただ(これはkindlegenでも同じだが)「~」が「□」に化けてしまうのは仕方ないのか。自分でmobiを生成する時にはHTMLに「gsub /\uFF5E/, "\u301C"」をかけている。

*3 もちろん、calibre本来の目的である「書籍管理」にも使っていいんだけど、「電子書籍界のiTunes」とはよく言ったもので、動作が重くてストレスたまるんだよねー。