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ただのにっき

2011-02-10(木) [長年日記]

カラー版 小惑星探査機はやぶさ ―「玉手箱」は開かれた (中公新書)(川口 淳一郎)

自分でもこんなに何冊も「はやぶさ本」を読んでどーすんだ、と思わなくもなかったが、実際読んでみるとチョットずつ違うネタが入っていたりして油断できないのだ。例えば本書には、小惑星上で探査機をナビゲートするのに「地形航法」という手法をあみ出したと書いてある。こんなの今まで読んだ4冊には書いてなかったように思うんだけど、なんか詳細が書けないくらいすごい技術っぽい。

書き手による違いも、立場の違いが現れていて面白い。やはりイトカワへの降下に関する記述でも、たとえば的川さんは(彼は教育者なので)オペレーションに携わる若者たちが日に日にスキルアップしていく様子をまず描くけど、川口さんは(技術者なので)その様子を二度目の降下でもマーカーが見えたのは精度の現れだと表現する。

いくらブームだからって、関連書籍出すぎだろと思っていたが、同じイベントについて複数の人たちが異なる視点からいろいろ語るというのも、それはそれで面白いものだ。あとはもうちょっと、ジャーナリスト視点の書籍が出るといいんだけどなー。

Tags: book hayabusa