ただのにっき
2008-05-16(金) [長年日記]
■ 開発者と利用者では「継続」の意味が違う
tDiaryのリポジトリを、CVSからSubversionに移行中だ(hsbtが)。SourceForge.netがsvnをサポートしたのはずいぶん前だから、とっと移行しちゃえば良かったんだけど、「2.2を出すまで待とう」と思っていたらいつまでたっても出せなかったので(笑)、こんな時期になってしまった。もたもたしている間に巷ではgitやらMercurialのような分散VCSが流行し始めてしまい、いまさらsvnかよ的な状況。でもまぁ、これくらいがちょうどいいんじゃないかね。
いまのところ、tDiaryプロジェクトのミッションは「プロジェクトを25年間存続させる」である(参考:「継続」という目標)。人生の記録をつける日記システムが、たかだか数年で消えうせるようでは困る。せめて四半世紀は安心して日記をつけ続けられるようにしたい。バグ修正だけでなく、時流にあった機能拡張はもちろん、プラットフォームの移行(ひょっとすると10年後にはWebそのものがなくなっているかも知れない)も含めて、「日記を書き続けられる環境」を維持する。したい。
ところが、こないだの2.2へのバージョンアップに失敗して、日記を継続できなくなっている利用者がけっこういて、これがなかなか心苦しい。2.0からの変更点なんて、たいしたことないのにこのザマだ。これが大きく変わる(はず)の次期リリースになったらどうなることやら。既存の利用者を振り落としながらバージョンアップをする意義がどこにあるのか、などと自問する日々。
かといって、最小限の変更以外を凍結してしまうと、プロジェクトを維持するだけの開発者が確保できなくなってしまう。われわれ開発者は、変化がなくては生きていけない種族なのだ。プロジェクトを継続するためには、日々変化していかなくてはならない。CVSからSubversionへの変更も、そろそろCVSなんて使いたくないと思い始めている開発者のための(小さな)変化のひとつだ。
ミッション遂行のためには、両者のバランスを取りながらおそるおそる進むしかないわけで、実際の開発よりもこっちの方がよっぽど難しいと感じている今日このごろ。「Microsoftはすげぇなぁ」と思うのはこんな時である。