ただのにっき
2007-09-16(日) [長年日記]
■ 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』を観てきた
……ではなく、「ゼロ年代の想像力」では、エヴァを"引きこもり肯定"の古い(1995年代)の価値観の走りであり、現在は"現状を飲み込んだ上でのサバイバル"という新しい(2005年代)価値観に移り変わっていると説く(とか適当にまとめるとツッコミがありそうだけど無視する)。まぁ、個人的にはどっちの価値観も好かんけど、エヴァがそういう立ち位置にあるのは納得する。だから、「12年間エヴァより新しいアニメはありませんでした」と偉そうに言い切る庵野秀明が、今回の新劇場版で古い価値観を蒸し返して満足するのか、現代の新しい価値観に追いつくのか、それともさらに先を行く価値観を提示するのか、そんなところには興味がある。
つーわけで、業務上の要請(?)で観ることになったかみさんに付き合って鑑賞して来た。とは言うものの、こちとらガンダム世代どころかヤマト世代である。初恋の人だって、マチルダさんじゃなくて森雪だよ(違うけど)。悪いけどエヴァにはこれっぽっちも思い入れはない。そんなフィルタのかかっていない目から見ると、しょせん序章は序章。たしかに終盤、TV版とは違った方向に動き始めているようだが、まだ何か評価できるようなコトが起きたわけでもない。相変わらずシンジが壊れていく話みたいだし。まぁ、こうなったら最後まで付き合うけどな。
でもさすがに新しいだけあって、絵も動きもきれいになっている。最近のアニメで、安っぽい3DGCのぺかぺかしたメカばかり見せられていたせいか、ちゃんと塗られて質感のあるメカはグッド。特に終盤のヤシマ作戦のカッコイイこと! そりゃぁ、絵コンテが樋口真嗣だもん、カッコよくならないわけがない!
その他:
(1)ミサトのベッドサイドに、「JIDAI」が置いてあって吹いた。アンノつながりか。講談社関係ないのに。たしかにミサトは、ああいうおっさん臭い週刊誌を読みそうだ。
(2)観客が思いのほか若い。おまえら、リアルタイムでTVシリーズ観てないだろ、ってくらい若い。意外と広い年齢層に受け入れられてんだねぇ。つーか、うちらが最高齢っぽかったんですが! かみさんが、彼らが一言も発せずに食い入るように観ていたので驚いていた。そりゃそうだろう、バイブルだもん。おれだって、ヤマトがリメイクされたら固唾を呑んで観るよ(たぶん)。
(3)直前に性転換エヴァンゲリオンを観てしまったので、ゲンドウが写るたびに女性化されたゲンドウを思い浮かべてしまい、笑わずにいるのに苦労した。