ただのにっき
2004-02-12(木) [長年日記]
■ ソーシャル・ネットワーキング
ウェブログの次はソーシャル・ネットワーキング(Social Networking、以下SN)らしい。ウェブログの煽り役はHotWiredだったけど、SNではCNETがその任にあたっている感じで、あそこのウェブログで最近とりあげられることが多い(1、2、3)。いまごろウェブログとか言ってたら時代遅れですよ、奥さん。
つーわけで、秘密会員制でGoogleが運営している、話題のorkutへのinvitationが、ついにおれにも届いてしまった。最初にinvitationをくれた方(別に名を伏せる必要はないが、秘密会員制っぽさを演出するためにあえて匿名[笑])が、わざわざinvitationしたことを告げる日本語のメールをくれたおかげで気がついた。つまり、bsfilterがばっちりspam扱いしてくれていたわけだが(笑)。ほんと、この人の気配りにはいつも感心する。
実は後述するようにSNには懐疑的なのだが、試しもせずに批判してもしょうがないので、invitationを受けてみることにした。たちどころに同時にinvitationを受けた人たちから数件のjoinが届いたり、10年以上会っていない古い知人がjoinして来たりして(外人ばっかり数十人のfriendsがいるのはさすが国際派の著名人である)、現在のところ(こちらからは何もアクションしていないのに)14,846人のコネができたことになっている。もちろん、そんな実感はなし。
CNETあたりを読んでいて感じるSNのイメージは、「欲望渦巻く関心空間」というところ。join(リンク)するとお知らせがきて、気に入ったらお返しのリンクを貼るところが関心空間にすごく似ている。趣味が似ている人を集めやすいところとか。そうか、関心空間ってSNだったのか。ただ、関心空間がモノを通じて(ワンクッションおいて)人がつながり合っているのに対し、SNでは人どうしがダイレクトにつながっている分、クッションがなくて欲望むき出し感が強い。たぶん、personal dataにそういう設問が多いせいもあろう。
で、欲望はエスカレートしやすいから、「私のコネは○Hopで×万人」という数字自体が価値を持ち始め、ネットワークの拡大が目的化するだろうことは容易に想像できる。これはねずみ講に近い構造だ。行き着く先に関してはHotWiredにいい記事が出ている(→人気のソーシャル・ネットワーキング・サービス、ネット上級者には不評?)。ネットワークの数だけじゃなくて太さも評価しないと、すぐに存在意義が失われるんじゃないか。orkutではkarmaというアイデアがそれにあたりそうだが、あまり役に立っているようには見えない。そもそも、友人に点数をつけるという考え方になじめない。以前「七つの習慣」で拒絶反応を示したのもこの点である。アメリカ人って(以下略)!!
もう一点、SNから受ける悪印象は、子供がよくやる「わたしたちって友達よね!」ってヤツ。関係の確認と強要だ。身近なところでは「相互リンク依頼」に近いが、相手が見ず知らずではないだけにやっかいだ。日本人の中に、知人からのjoinに対して「No」と答えられるだけの図太い神経の持ち主がどれだけいるだろうか。もしくは、いちど受け入れた関係を解消できるだけの冷酷さを持っている人が。おれも、自分に「fan」のkarmaをつけてくれた人に「お返しkarma」(また"お返し"か!)をしない勇気を振り絞るのに、かなりの精神力を要している。これは正直、疲れるぞ(だからと言って、fanフラグを外して欲しいと言っているわけではない。賞賛はいつでも受け入れる[笑])。
その他、orkutあれこれ。随時追加予定。
- 「tDiaryコミュニティ」を作成してみた。最初の「t」を勝手に大文字にされて、ちょっとムッとした
- ネット上の知人はみんなハンドルで知ってるので、given nameで表示されても誰が誰やら……