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ただのにっき


2016-05-29(日) [長年日記]

シンデレラガールズ コンプリート アニメファンブック」がとんでもないシロモノだった

こないだのプラチナスターズのニコ生で、ガミPが「次の10年」というたびに隣のミンゴスが渋い顔をするという芸(?)がみられたわけだが*1、制作サイドから言われるまでもなく、個人的にいま一番興味があるのはアイマスのサステナビリティ<sustainability>だ。10年も続いたんだから、次の10年と言わず20年30年、続くかぎり付き合ったろうじゃん、と思っている。こっちの寿命が先に尽きそうだけど。

だからこそ、プロジェクトが持続・成長できるだけの利益はちゃんとあげ続けてもらわないと困る。先日サントラのときにも書いたけど、ものには適正価格ってぇもんがあってだな、よほど特別な狙いでもないかぎり、それより安く売ったらあかんと思うのよ。ゆえにこの「アニメファンブック」の価格設定には正直怒ってる。総重量2kg、どう考えても画像ばかりになりそうな本なのにテキストだけでも13万字という大ボリュームのムック本だ。本というか鈍器だ。倍とはいわないまでも、6000円の値札がついててもまだ安いと感じるよ。これで利益がほとんどないなんて、ほんと勘弁して欲しい。おれらの財布、そんなに軽いと思われてんのかしら。まぁたしかに去年からこっちずっと軽いままではあるが。

[写真]ダンボーバッテリと比較してもまだ厚い

とまぁ「安すぎる」と言って怒りたくなるほどにすごい本だった。目に厳しいほど縮小印刷されてもまだ厚いコンテ集や、スタッフによるイラスト同人誌はもちろんのこと、個人的にはなんといっても本編に含まれる多量のスタッフインタビューや座談会がただただ嬉しい。

こういう制作陣による作品語りを好まない人もいると思うけど、このアニメは何度見返しても新しい発見があるほどの濃密な作品なので、ある種の答え合わせ的な楽しみは嬉しいものだ。実際はそこまで語り尽くされているわけではないのだけど、各担当それぞれの視点からの回想が、同じシーンを別々のライトで照らしてくれて、多面的な解釈ができる構成がとても良い。

あと、どのインタビューでもこぞって語られているのが「高雄監督がすごい」という話。というか一言でまとめるとそれしか言ってないんじゃないのというくらいに繰り返し語られる。そもそもシンデレラガールズは、どのアイドルも「こんなやついねーよ」と言いたくなるくらい極端な性格設定なんだけど、彼女たちに動機を持たせ、感情を繰り返し表出させることで、まるで実在する女の子に思わせてしまうマジックが、監督の執念を根源としていることが確認できて、まぁなんというか「シンデレラを担当してくれて本当にありがとうございます」という気持ちになる。

インタビュアのレベルも高い*2。音楽担当のインタビューで、スタジオミュージシャンが若手ばかりだったという話題に対して古い765プロ曲ではベテラン勢が多かったという指摘を即座に返す。10年もの歴史をしっかり押さえてすぐに取り出せるのには舌を巻いた。やはり、良いインタビューに良いインタビュアは欠かせない。そういうところからも、本書に関わった人たちの誰一人として手を抜いていないところが伺える。

まだテキスト中心にざっくり読んだだけだけど、丹念に読もうと思ったら一週間以上はかかりそう*3。永久保存版だね、こりゃ。

アイドルマスターシンデレラガールズ コンプリート アニメファンブック
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(unknown)
¥5,980

*1 10年後はミンゴスもアラフィフだし、そら渋い顔にもなるよな。

*2 当然ながら中里キリさんの名前もある。

*3 そうこうするうちに10thライブのBDが出てしまう。これも20時間+αの恐ろしい物量だ。


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