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ただのにっき


2015-07-21(火) [長年日記]

「エンジニアのための法律勉強会#6」へ行ってきた

先月参加してきたエンジニアのための法律勉強会が同じテーマの続編をやるということでふたたび参加してきた。今回はちゃんと野島弁護士や可知さんにもご挨拶した(笑)。

今回は日本の著作権法の母法であるアメリカやドイツの判例解説で、日本に判例がない場合はこれらの国々の判例が参考になるからとのこと。なるほど!

とはいえOSSのライセンス違反に関する訴訟は、そもそもコードが公開されていることから侵害の有無は比較的簡単に出てしまうので、その後の損害賠償や差し止めをどうするかという議論になりやすい。今回俎上に載せられたのはリバースエンジニアリングなどで侵害をつきとめた例だったりしたけどこれはむしろ珍しい方で、侵害が明らかになった時点で和解に持ち込まれて判例に残ることも少ないのではないかとのことだった。

賠償額も、もともと無償で公開しているものに明確な損害を証明するのが困難なので、相手がものすごく儲けているような場合でもなければ大きな金額が動くことはなさそうだ。なんか、あんまりビクビクしてもしょうがない感じだなー、安心した。

かといえばそうでもない。

けっきょくその後の雑談で、会社の知財部門が危惧してるのは「訴えられる」ことより「訴えられない」ことの方じゃないの、みたいな話に。ようするに「わが社のすごい発明(←カネになる)がオープンソースとして流出しちゃったら(←カネにならない)どうするの」という危機感だな。でもおれらソフトウェアエンジニアは、そんなすごい発明はそうそうないことを知ってるし、それすらもオープンにした方がイノベーションが進んでハッピーという世界に住んでいるので、そりゃすれ違うわなぁ。このギャップをどう埋めるかが課題なのか。


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