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ただのにっき


2014-01-02(木) [長年日記]

寒川神社へ初詣

[写真]今年のねぶたは天岩戸

例年どおり、寒川神社へ初詣。門の上に掲げてあるねぶた、今年は天岩戸だそうで、どうも昨年から干支シリーズはやめたらしい。今年は午年だから、ネタには事欠かないと思っていたのだが。

さすがに1月2日の日中だと大混雑で、賽銭箱を拝むまでえらく時間がかかった。で、昼飯どきだったけど混んでいるのでそのまま江ノ島へ向かい、そっちで食べようということに。そしたらなんと、いつもの遊覧船が運休。

[写真]遊覧船が無情の運休

ちゃんと正月には運行しているという看板が出てるのに、券売所が閉まってるだけでなんの理由も書いてない。まぁちょっと風も強いし島の東側の波は高いけど、遊覧船が通る西側は静かなものだし、なにがあったのかぜんぜんわからないのでかなりムカつくねぇ。しかたがないので表参道から行こうとするも、裏に回るルートがないせいか、猛烈に混雑していて食事もとれないので、あきらめて帰ってきてしまった。

とはいえ腹が減ったので、藤沢でいったん下車して千疋屋のアフタヌーンティーセットを食べてしまった。初スイート。

[写真]千疋屋のアフタヌーンティーセット

ブラインドサイト〈上〉 (創元SF文庫)(ピーター ワッツ)

ひさしぶりに本が好き!の献本に当選。いつもどおり4冊に1冊のペースで当たったので、今回は宇宙の法則は乱れず。ところで書評投稿の締め切りまでに読み終わらず、おまけに受取報告まで出し忘れていたら書評が投稿できなくなっちゃったんだけど、これはどうみても条件設定のバグだよなぁ……。どうしよう?

さて本題。創元文庫には冒頭に登場人物紹介があるのだが、そこに「吸血鬼」を見つけてちょっと引く。だってこの作品「ハードSF」って触れ込みだったので。まぁ、吸血鬼の存在を(わりと)まじめに扱ったSFが過去にないわけじゃないけど「ハードSF」にはなぁ……。と、ここでそういう表層的なことがらは「ハード」っぽさに関してはあまり重要じゃないのだと気づけば良いのだった。他の登場人物も、脳の半球を切除された男、調和した4つの人格を持つ女、共感覚を持つサイボーグなど、どこか極端におかしな人物ばかりなのだ。つまり本書において、吸血鬼は単に「スーパーヒューマン」の役柄。

同様に謎の天体とか、異星人とのファーストコンタクトなども実は表層的なものにすぎなくて*1、日本版の解説にテッド・チャンが登場していることからわかるように本書はいわゆるアイデンティティSF、そしてテーマはずばり「意識」だ。他の要素はこのテーマを掘り下げるための道具立てにすぎない。……と割りきらないと、正直読みづらくてやってられないんだなぁ、これが。まじ読みづらい。表紙の助けがないと異星の構築物や人類側の宇宙船の構造がどうなってるのかさっぱりわからないし、作者はちょっと(だいぶ?)描写力に欠けている。

じゃあそのテーマである意識についてどうかというと……うーん。これってさ、山本弘の「7パーセントのテンムー」(「虚構機関」収録)と同じネタで、しかもオチまで同じじゃない? ワンアイデアの短編と同じと言い切るのは乱暴ではあるが……。テッド・チャンは結論には同意できないと書いていたけど、「テンムー」を読んでいた身からするとこれもアリじゃないのとは思う。というわけで、残念ながらあまり新鮮味はなかった。

ブラインドサイト〈上〉 (創元SF文庫)
ピーター ワッツ
東京創元社
¥924

ブラインドサイト〈下〉 (創元SF文庫)
ピーター ワッツ
東京創元社
¥924

虚構機関―年刊日本SF傑作選 (創元SF文庫)
田中 哲弥
東京創元社
¥279

Tags: book

*1 サイエンス方面の考証については、作者が参考にした(胡散臭いものから確度の高いものまでごったまぜの)100点以上におよぶ参考文献リストまであって、それらをうまい具合により合わせて作った労作だということがわかる。こういうのは嫌いじゃない。


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