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ただのにっき


2008-10-24(金) [長年日記]

マイナス・ゼロ (集英社文庫)(広瀬 正)

名作を復刊させて、未読だったことを白状させる……といった陰謀が渦巻いているような気がする今日この頃。はい、よりによって『マイナス・ゼロ』が未読でした。

もはや解説不要の時間SFの金字塔だが、今の基準からするとタイムパラドックスはさほど難しくないかも。昔は図解まで出回っていたほどの複雑なプロットだけど、けっきょく解決する(というか円環になる)のは一人の時間だけで、肝心のタイムマシンの出自については特に明かされず、不満が残る。

それよりさ、半村師匠の「およね平吉時穴道行」を彷彿とさせるような、見事な昭和の描写が、この作品の持ち味だよねぇ。現代の主人公を、そのまま過去の世界に置くことで、単なるノスタルジックな描写にならない、「新鮮な過去の世界」が眼前に展開されるのだ。これは楽しかった。

Tags: book

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