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ただのにっき


2008-05-24(土) [長年日記]

ウォー・サーフ〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)(M.M. バックナー/M.M. Buckner/冬川 亘)

超大企業の神のごとき役員と、衣食住は保障されてるけど奴隷に等しい従業員に二分化された、環境破壊がとことん進んだ地球。役員連中はうなるほどの金と数百年の寿命を持ちながら、危険な場所に赴いてその様子をネットに流す「ウォー・サーフ」という遊びに夢中。

そのウォー・サーフがメインのアクション物かと思いきや、実際のウォー・サーフ場面は上巻の半分までしか出てこない。残りは、やたらと従業員クラスを見下しまくる鼻持ちならない主人公の老人が、捕虜になった宇宙工場で自分探しをする話。

今まで自分が想像したこともない世界を目の当たりにすることで、だんだん偏見をなくしてまっとうな人間になる様子を描くのが目的なんだろうけど、なんだかその描写が薄っぺらくて、説得力に欠けるんだよなぁ。中途半端に道徳的な気がするのは、主人公の動機がすべて女がらみだからか。

下巻の後半から再び物語が動き出して、SFっぽい変革も現れるんだけど、わざとらしい自己犠牲で終わるストーリーには、ちょっと白けた。ジュブナイルに仕立て直したらいいんじゃね?

Tags: book

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