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ただのにっき


2006-03-07(火) [長年日記]

衛星軌道でゴルフをすると……

忙しいんだから他に考えることはあるだろうと思うんだが、昨日見かけた宇宙ステーションから「ナイスショット」?という記事が気になって仕方がない。この記事を読んで「デブリを増やすんじゃねーよ、ばーか」と言って終了、でもいいんだが、気になるのはこの部分である:

ミスショットとなってボールが間違った方向に飛ぶ公算が大きく、結果として図らずもISSと同じ軌道面に乗り、最悪の場合、秒速10-11キロの猛烈なスピードでISSに衝突し、損害を与える可能性もあるという。

これが、ESAの科学者が述べたコメントだと言うのだ。

ISSとの相対速度を10km/sにしようと思ったらその速度でボールを打たなくてはならないはずだが、有史以来、そんな怪力の宇宙飛行士がいるとは聞いたことがない。そもそも、ISSから打ち出しても軌道が高くなるだけで(進行方向に打った場合)、ISSと同じ軌道をすばやく回って追いついてくるわけではない。つーか、そんな速度で打ち出したら地球軌道に戻ってこないではないか。

記者がとんでもない勘違いをしてるんだろうなぁ。もしくは、壊滅的に説明が下手な科学者だったのか。……もしくは、おれがとんでもない勘違いをしているのか(←おおいにありうる)。

Tags: space

はやぶさがまだ生きている!

こっちはいいニュースだ〜。「はやぶさ」探査機の状況について

2月末になって、ようやくテレメトリデータを取得することができ、探査機内部の状態が確認できました。さらに、3月6日に軌道をあらためて推定することができ、確度は依然低いものの、現在の位置・姿勢情報、ならびに現在の状況をおおまかに把握することができました

いやもー、満身創痍の上にまだ痛めつけられてるような状況なのに、よく生きてるなー。それだけでも感動だ。がんばって帰ってこいよ〜。

本日のツッコミ(全5件) [ツッコミを入れる]
こ〜りん (2006-03-08(水) 00:38)

相対速度じゃなくて,対地速度なんでは?
ボールは打ち出されると,ISSよりちょっと上の軌道をちょっと速い速度で回り始め,地球の重力に引かれながらおよそ1万3千回ほど地球を回って燃えつきる.それまでの間にISSにぶつかることはありうるかと.

えむふる (2006-03-08(水) 08:28)

船外というか宇宙でゴルフスイングするとプレイヤーの回転運動は誰が止めるのだろうか…。自分で止められるのかな?

新保と申します (2006-03-08(水) 12:40)

(落下までの)4年間に軌道が少しずつづれてきて、ISSの北行(南行)とボールの南行(北行)が出くわすと、斜め前からの衝突になって、相対速度が11km/s位になる、のではないかと思いますよ。
 7km/sと7km/sが90度で出くわすと9.9km/sの相対速度になりますから。

ただただし (2006-03-08(水) 13:05)

あー、なるほど! 軌道傾斜角のことを完全に失念していました。というか、上から見た図しか頭になかった。それならわかります。こういうことは立体的に考えないとダメですねぇ……。

TrackBack (2006-03-10(金) 20:37)

http://quasi.dip.jp/log/?date=20060309#p01
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[航天] 衛星軌道でゴルフ
前方に打ち出すなら軌道がちょっと上昇して後方におくれていって、後方に打ち出すなら軌道はちょっと下降して前方に進んでいくので、4年のうちにそんなに位相がずれるほど速度がちがうなら、軌道の高さもかなりかわってやっぱりぶつからないような気がする。 ちなみに横や..


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