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ただのにっき


2000-08-16(水)

cron

ひぇぇ、cronの指定を間違えた〜。「毎日8:30にアンテナを動かす」つもりで「30,8」とか書いてしまった。これじゃ「毎時30分と8分」じゃん……。誰も見ないアンテナを動かし続けてしまった。どうも身に覚えのない更新がかかってるなぁと思ったら。すまぬ。正解は「30 8」(カンマじゃなくて空白)。

アンテナ

wwwoffleをかましてアンテナにキャッシュを埋めてもらおうと思い、Kondara-Zoo 1.2に入っているのを入れたら、「Server Already Used」(だったかな?)とか表示されてアウト。netstatを見てみると、なんとなくIPv6がらみ臭い。こっちはまだ1.1だからなぁ。さくっとあきらめて、Kondara-Zoo 1.1に入っているのを入れたら、ppxpに依存してるとか言われる。ダイヤルアップユーザしか使わないと思われていたみたいだな、当時は。まぁ、実害はないのでppxpも入れて、設定、こっちは動いた。

なつみかんのPROXY指定にこのwwwoffleを指定して、なつみかん起動前に「wwwoffle -online」、実行終了後に「wwwoffle -autodial」するようにしておけば、職場のクソ重いPROXYを通さなくていいから楽だろう……と思ったらおお間違い。アンテナはできる限りHEADコマンドで更新時刻を取得しようとするから、wwwoffleにはぜんぜんキャッシュされないのだった。意味ないじゃん。さて、どうしたもんか。とりあえずアンテナ自体は動いているからいいんだけど。思案のしどころだ。

Ruby 1.4.6

Rubyの1.4.6が正式リリースされたので、職場のFreeBSDマシンに入れてみる。と、RuBBSが動かなくなってるっ。cgi-lib.rbが未サポートになったmodule_functionを使っているのでエラーが出るらしい。とほほ。Ruby 1.2.xもサポート対象にするためにcgi.rbを使わずにいたツケか。乗り換えは機械的なものだけど……。どうせならいろいろやりたいと思っていたアップデートだが、やれるところからやるべきか。


2001-08-16(木) 9379歩

tDiary

スナップショットをちょっと更新。ツッコミメールはこれで送られるようになった……と希望。untaintを付け忘れていたところが一か所あったので、それを直しただけなんだが。あと、こっちの環境だとCGI conf(←確かにちゃんとした名前が欲しいな)はちゃんと読み込まれている。書き込めないというのは謎だなぁ。いずれにせよ、職場の環境はmod_rubyが0.2なのでそれをなんとかしないと(笑)、テーマの件のアドバイスもテストできない。

tDiaryが更新されたと見なされるのは、本文の更新とツッコミがあったときだけで、Refererが来てもLast-Modifiedは変わりません。以前それをやってひでぇメに遭ったので。

tDiary(2)

最新スナップショットの1.1.2.20010816.2(なんだこりゃ)で、CGI confの設定も保存されるようになったはず。これが安定してれば、mod_ruby対応は完了だ。

CRP

うーん。よくわからない。1モータつーのは偉い。カムの造形は芸術的だ。しかし、最初から人に媚びるために産まれてきたかのような売り方がどーも気に食わん。AIBOとかもそうだけど、それって違うと思うんだよなー。

人の役に立つために産まれてきたのに、なぜかうっかりかわいくなってしまった……というのが正しいロボット道というか(笑)。ASIMOはそのスジなので。やっぱ、カブを作ったHONDAの伝統が生きているよね。

なんにせよ、いま我が家にはASIMOグッズがあふれているので、新しいロボットを迎え入れる余裕はないけどさ。

Visor新型

出るみたい。乾電池型はまだ滅びなかったか。嬉しいな。Platinumの予備に買っておこうかしらん。

本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]

アル・フミーン [初めまして、アル・フミーンと申します。 リンクして戴いて、家もお客人が増えた様です。(^^ゞ カウンターも付けて..]


2002-08-16(金) 1576歩

夏休み

PCの電源も入れず(暑いので)、スカパーでDiscovery Channel漬けの日々。

そんな幸せな時間も、突然の雷雨で中断される。こういう天気になるとスカパーはまったく入らなくなるのだ。通信衛星というのは永遠にインフラにはなれまいと、つくづく思った。

そんなこんなで久々にネットにアクセスしたら、13日にcommitしたtDiaryのHEADが動かないと知らされた。みんなすまん(笑)。メールと巡回を片付けたら取りかかります。とほほ。

台風13号

明日から一泊で出かける予定なんだけど、こんどは台風だよ。まったくもー。

この台風、ひまわり写真で見ると、目がパッチリしててなかなか美人。彫りが深い顔立ちって感じ。化粧濃いけど。

でも、その目が本州をギロって睨んでるんだよなー。来るなよ〜(泣)。

tDiary: HEAD

ちゃんと動くように修正。

さらに「paragraph」という言葉を「section」に全面変更。それに伴って、テーマにおけるイメージアンカーのクラス名「panchor」も「sanchor」に仕様変更。

その他、yasqeezeがちゃんと動くようにしたり、convert2が動かなくなっていたのを直したり。そろそろ1.5に移行する時期という雰囲気を盛り上げつつ……今日はまだ何もしない(笑)。

移行は休み明けにしよう。


2003-08-16(土)

夏休み(4)

まさか長袖のシャツを出すことになるとは思わなかった……。

xinetd

ちょっとサーバを書く必要があったのだけど、簡単なものなのでxinetdを使うことにした。inetdは使ったことあったけど、xinetdの設定をするのは初めてなので、ちょっとメモ。

サーバ自体はinetdと同じで、socketの代わりに標準入出力を使っただけのもので良い。

これをxinetdに登録する。まず、/etc/servicesに利用するポート番号を追加。

sample   9999/tcp   # sample server

続いて、/etc/xinetd.d/sampleを作成。

# default: on
# description: sample server
service sample
{
   disable = no
   socket_type = stream
   wait = no
   user = nobody
   server = PATH_OF_SAMPLE_SERVER
   only_from = 127.0.0.1
}

実際のアクセスはトンネル経由で行うので、localhostからのみのアクセスを許可すればいいため、only_fromを指定した。うーん、アクセス制限が楽でいいなー、これは。

本日のツッコミ(全3件) [ツッコミを入れる]

Yuyang [帰省していた北海道のほうが暑かったですよ。 寒いですねぇ。]

ただただし [今年は北海道に行くという企画もあったんですけどね。行ってたら損した気分だったろうなー]

えむず [先週末,北海道に行ってきました。 野外ライブを見に行ったのに台風(泣) ビアガーデンはがらがら……。 初めての北海道..]


2004-08-16(月)

アテネ五輪: 柔道が一番面白い

男子サッカーは、HDDレコーダーに録画を溜め込んで見る暇もないまま、予選敗退が決まってしまいました……。あーあ。あの組に入った時点でこうなることは予測できていたとは言え……不運なヤツらだなぁ。

さて、仮におれが日本人じゃないとしても、日本人選手を応援してしまうに違いないのが柔道である。なんと言っても、姿勢からして違う。他国の選手の多くが「お前らスクラム組みに来てんのかよ!」とツッコみたくなるほど腰が引けているのに対し、彼らは上体の起きた、正しい柔道の構えである。そしてそれが単に伝統を守るためだけのやせ我慢でなく、マジで強いからカッコイイ。

姿勢がいいからスピードも出る。以前は軽量級でしか見られなかったスパっと決まる豪快な一本が、最近は重量級でも見られるようになってきたのは、「やはり日本の柔道はこれしかない」という開き直りができてきたからかも知れない。基本に立ち返った方が見応えがあるのだから面白い(どんなものでもそうかも知れないが)。

というわけで、昨日までの4人(金x3、銀x1)は本当にすばらしかった。どれも、一瞬の隙を見逃さない、珠玉の技の数々である。特に横澤の準決勝での逆転勝ちは、マンガでもあれはないだろう。きっとサボンは、「もう勝った」と思って気持ちが一瞬抜けたに違いない。それを見逃さずに懐に飛び込んで1秒で決めたんだから、奇跡と言うのは失礼だ。ああいうのを実力と呼ばずになんと言うのか。

このあとの中量級、重量級も楽しみだよなぁ。特に井上。はやく帰って、ライブで見られるといいのぅ……(←無理っぽい)。

本日のツッコミ(全4件) [ツッコミを入れる]

ま2 [3位決定戦で勝って銅が決まっても涙するサボンがまたよかったですな。勝負はコワイ。]

G [外国人選手の柔道着がすぐにだらしなくなるのに日本選手はほとんど乱れません。この辺からしてちがうんでしょうね。]

いまいし [アマレス出身者じゃないかな?>腰が引けている フランスやキューバは柔道大国だから少ないと思う]

ただただし [どうでしょう? 技の掛け逃げも多いし、単に組まれないようにしてるとしかみえないんですが。 ともあれ、そういう「守備」..]


2005-08-16(火)

老ヴォールの惑星 (次世代型作家のリアル・フィクション ハヤカワ文庫 JA (809))(小川 一水)

小川一水はまだ20代ということもあってか、長いのを書くとどうしてもライトノベル風味が出てしまうようなんだが、短編だとそんな余裕(?)はないのか、気恥ずかしくなることなく読める。ありがたい(ラノベは苦手なのだ)。もっとも本書では「幸せになる箱庭」だけは少々……青臭いが。

傑作と名高い「老ヴォールの惑星」は、ホット・ジュピターに発生した知的生命体という実にハードコアな設定が楽しい。SFマガジン掲載時に読んだが、読み返しても面白い。異星生物の擬人化も、不自然にならない程度に抑えてあって、感情移入はできるが人間臭すぎないという絶妙なバランス。

「漂った男」も、広大な惑星を舞台にしていながら密室劇になっているという傑作。きれいに起承転結にまとめてあって結末も感動的だから、映画にしたら面白そうだ。それも「低予算の単館上映作品」に仕立てると味が出そう。

Tags: book

Amazon.co.jp オリジナルブックカバー(ベージュ・文庫サイズ)(-)

そう言えば、こないだ一気買いしたついでに新しいブックカバーも買った(というかキャンペーンだったのでタダだけど)ので、『老ヴォールの惑星』から使ってみたけど、けっこういい感じ。

従来の合成皮革っぽいヤツよりタイトなので、カバーをかけるのがちょっと面倒になったが、中で本が遊ぶこともなくなった。しおりも通常の場所に移動したので、バッグの中でしおりが外れて悲しい思いをすることもない。ただ、布製なので汚れが目立ちそうだ。洗濯できるかな?

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

すずき [意味も無く4色揃えました>Amazonブックカバー ベージュ以外の色はAmazonロゴが目立って、ちと恥ずかしい感じ..]

ただただし [そうそう、汚れそうだけど地味なんだよね >ベージュ #でも、口の部分だけパックリ目立って不気味、とも言える]


2006-08-16(水)

GTDを始める(4) - 初日の運用

つづき

さて、夏休みも明けて、GTD導入後初出社である。週末に設定した週次レビューまでは、定常運用というか、ひたすらアクションアイテムをやっつけることになる(のかなぁ。このあたりがよくわかんないね)。

ちなみに昨日は、出社してみなきゃ思い出せない項目は山ほどあるに違いないと書いたが、実際その通りで(「山ほど」ってほどではなかったが)、その通りなんだけど、それを「Action」に追加する暇なんてぜんぜんないんである。職場でもどこかで一人になれる時間をとらないとどうにもならない。

そういう些細な(?)問題は脇に置いておくとして(いいのかそんなことで)、出社してまず、「Action」をざっと眺めて今日やっつける仕事を「受信箱」に移動する。今日の日付の入っている項目は無条件に(10項目以上あるしorz)、日付が入っていないものもいちおう見直して、今日中に片をつけるべきかどうか判断、「受信箱」に移動する。

昨日書いたとおり、「Action」には100項目以上ある。これを毎日洗うのは大変だ。やっぱりここは少し減らすべきだろう。少なくとも毎日チェックできるだけの適切な数というのがあるはず。今日の感覚では、半分(50)なら続けられると思った。

なおRemember The Milk上では、検索で「list:受信箱 tag:job」を指定して、できたリストをスマートリスト化(右のタブから「保存」を選ぶ)すると、「今日のお仕事」に関する専用のリストができる。日中はプライベートな項目を目にすることなく仕事が進められるのでオススメ。しかし、モバイルでこのリストを開くと空だったりして(バグだな?)。とりあえず、1日分は軽くオーバーしている項目数が並んでしまったが、気にせず先に進むことにする。

あとは、今日の項目をばったばったとやっつけるだけ。早くアクションを取らなければいけないものからやっつける。もし相手があって、返答が欲しい場合には、その項目を「Waiting」に移動するが、〆切を設定したのなら日付を変更し、項目の内容も"返答待ち"を表現するものに変えておくといいと思う。

そんな感じで、最初のうちは快調に項目消化をしていたが、悲しいことに、項目は減るだけでなく、増える。例えばメールチェックをすれば当然新しい項目が増える(場合が多い)が、できるだけその場で分類までしてしまう:

  • 2分以内で片が付くならやってしまう
  • 今日中にやるべき作業なら「受信箱」に項目を追加
  • 明日以降にやるべき作業なら「Action」に日付指定で追加
  • 複雑だが来週以降の着手で良いなら「Project」に追加

なんとなく"重要度"よりも"時間"を基準に分類している……んだけど、これでいいのかどうかよくわからん。ともあれ、昼前には項目数が10前後で一進一退の攻防をしている状況。まぁ、休み明けというのはこんなものかも知れん。

今日のお仕事は終わり! 午後は出張に出て、戻ってきたらいくつかの項目が雲散霧消していたりしてラッキー。明日に回してもいい仕事も見えてきたので、それらは無理せず日付を明日に変えて「Action」に戻す。最終的に「今日のお仕事リスト」は空になった。かなり無理やりっぽい感じもするが、良しとする!

で、帰る間際に「受信箱」をチェック。残っているのは「チーズを買って帰る」だけになった。Remember The Milkならぬ、Remember The Cheese。

つづく

関連する日記: 2011-08-15(月)

2008-08-16(土)

「ストリートビュー問題」をセキュリティ観点から整理する

※以下の文章はブルース・シュナイアー『 セキュリティはなぜやぶられたのか』の受け売りなので、未読の人はとっとと買って読んだ方がよっぽどためになります。

要約

Googleマップの「ストリートビュー」機能に関する議論の多くは、これをプライバシー問題として捉えているが、ほとんど議論がかみ合っていないばかりか、なぜかみ合っていないのか当人たちもわかっていない。この問題をセキュリティの観点から捉えなおすと、守るべき資産価値やリスクの算出方法が個人個人の主観をよりどころにしていることがわかり、なぜ議論がかみ合わないのかが明らかになり、ネットでの議論よりも有効なアクションが見えてくる。

セキュリティとは

『セキュリティはなぜやぶられたのか』によれば、人生はセキュリティの連続である。旅行に使う交通機関を選ぶのもセキュリティだし、賞味期限切れ牛乳を飲むかどうかの判断もセキュリティだ。人間だけでなく、生きとし生けるものはすべてに適用可能な普遍的な考え方なので、プライバシー問題のように「昔はプライバシーなんて概念はなかった」などという主張で煙に巻かれる心配がない。

セキュリティとは「守りたい資産の価値」と「セキュリティ対策にともなうコスト(とリスクの増減)」とのトレードオフを考えることだ。セキュリティの評価には以下の5段階を踏み、最後のトレードオフによって対策を採用するかどうかを判断する。

  1. 守るべき資産は何か
  2. その資産はどのようなリスクにさらされているのか
  3. セキュリティ対策によって、リスクはどれだけ低下するのか
  4. セキュリティ対策によって、どのようなリスクがもたらされるか
  5. 対策にはどれほどのコストとどのようなトレードオフが付随するか

本書は豊富な事例が特長なので、ストリートビュー問題も仮想的な事例を想定しつつ考えてみよう。

仮想事例(1) 快適全裸生活

まずは高木浩光さんのすばらしいフィールドワークに敬意を表して、高い塀に囲まれた一軒家の住人を創造しよう。この人物(読者の妄想の妨げにならないように性別は定めない)は、窓を開け放したリビングで、全裸で寛ぐことを至上の喜びとしているとする。住人にとって守るべき資産は、誰にも覗かれることなく全裸生活をエンジョイすることであり、この資産は家の周囲からの覗き見というリスクにさらされている。

ストリートビュー登場以前には、低層住宅地に家を建て、周囲に高さ180cmの塀を張り巡らせることで、カジュアルな覗き見を排除。また監視カメラを設置することで意図的な覗き行為に対する抑止力とした。この対策では身長2mを超える人物によるカジュアルな覗き見を排除できないが、これ以上高い塀を作るコスト上昇に比べてリスクが少なすぎると判断、トレードオフを飲んだ。日本においては適切な妥協だろう。

さて、この幸せな裸族の住む世界に、ストリートビューを投入する。新たに「偶然撮影された裸体を全世界に公開される」というリスクが加わることになる。ストリートビュー登場以前には考慮する価値がないとして切り捨てていたレベルのリスクだが、この時点で対策を検討すべきレベルまで上昇した(と住人は判断した)。

Googleのプリウスに対し監視カメラによる抑止力は期待できないので、このリスクへの対策として考えられるのは、[1]さらに塀を高くする(金銭的コスト上昇)か、[2]自宅の写真がストリートビューに登場しだい削除依頼をする(時間的コスト上昇および心理的負担増)、のいずれかである(「車で行けないような僻地に引っ越す」のような現実的ではない対策はあらかじめ除外する)。

ここで重要なのは、住人にとっての「全裸生活の価値」や、ストリートビューによってもたらされた「新たなリスクの大きさ」を算出する基準が、この住人の内部にしかない点である。他人が「服着ればいいじゃん」とか「カーテン閉めろよ」と指摘することにはなんの意味もないし、「偶然裸体を撮られる確率はきわめて小さいよ」というアドバイスも「万が一公開されて広まったら手の施しようがない」という損失の大きさの前には無力かも知れない。セキュリティにおいてトレードオフは「主観」であり、他人がとやかく言えるものではないのだ。

ところがプライバシーに立脚したストリートビュー問題の議論では、こういうやりとりが平気で行われている。まったく不毛な話である。人が何を大切に感じるかどうかなど、他人に指示できるわけがない。

仮想事例(2) 監視カメラを避ける人

「ストリートビューなんて街角の監視カメラと変わらない」という意見が見られるので、次の登場人物は、政府や警察に対して強い猜疑心を持ち、街角に設置されている監視カメラに日ごろから警戒心を抱いている、という設定。出歩くときはサングラスと帽子で人物を特定されないように気を配っているとか、過去に国家権力から痛い目に合わされた経験があるとか、そういう妄想によるリアリティの補強はご自由に。

この人にとっての資産は「自分の行動履歴をコントロールできる自由」であり、常時稼動していて犯罪捜査を理由に簡単に権力者の手に渡りかねない監視カメラは、リスクの高い、セキュリティ対策を必要とするレベルの「脅威」だと言える。なにしろ監視カメラは、映像の削除を依頼することも、一時的な停止依頼もできないので、明らかに自分のコントロール下になく、なんらかの自衛によるリスク低減策しかとれない。

さて、この人物にとってストリートビューはどういう扱いになるか。ストリートビューは常時稼動ではないので、何か見られて困るときに周囲を見回してカメラを搭載したプリウスが接近していないかに気を配るだけでよい。自宅では窓にブラインドをかけておけば十分だ。また、運悪く撮影された場合にも、Googleに依頼すれば画像を削除してもらえる。つまりストリートビューは自分で自分の情報をコントロールできるので、リスクは低く、許容できるということになる。

しかし、立場が違えば180度異なる話にもなる。基本的に権力組織は信用してよいと考えていて(「権力には責任が伴うものだ!」)、監視カメラの映像は(事故で流出でもしない限り)公開されないと信じられる十分な理由があると考えている人物の場合、監視カメラは脅威ではない。一方、営利企業は利益のためならなんでもやりかねないと考えるなら、Googleの脅威は政府より上だ。特にストリートビューはいまどきの誠実な企業なら決してやらない「オプトアウト」方式の運営をしている。自分の知らないうちに不利な情報を公開されるかわからない、怖い、対策が必要だ……という(主観に基づく)ロジックは十分に説得力がある。

監視カメラを脅威と感じる前者も、ストリートビューを脅威と感じる後者も、どちらも主観的に判断している点に注意して欲しい。脅威の大きさを測る尺度はその人の内にしか存在しない。

あなたは何をすべきか

ストリートビュー問題を取り巻く「私はあれを気持ち悪いと思う」「いやおれは気持ち悪くない」の応酬は、単なる意見表明合戦にすぎない。全員が異なる資産を持ち、それを脅かすリスクについて別々の尺度で語る場で、議論など成立するわけがない。そういうことにネットは向いていないのだ。

(特にストリートビューに脅威を感じている)あなたがすべきなのは以下の行動だ:

  1. 守るべき資産を明確にする: ストリートビューから何を守りたいのか、それはどれほどの価値を持つ資産なのかを明確にする。これができるのはあなただけだ。
  2. 対策コストを算出する: ストリートビューという脅威から、その資産を守るために必要な対策方法とそのコスト(導入後に受けることになる新たなリスクを含む)を計算する。ここまでやらずに「気持ち悪い」と漏らしてるだけならただのダダっ子。「Googleのせいでこれだけの損害が出る」とちゃんと言えるようにしよう。もちろん主観ベースでかまわない。
  3. トレードオフを見極めてセキュリティ対策を実施する: 引き換えに失うものがほとんどないなら、とっととその対策を導入するのが吉だろう。一方、コスト的に見合わないなど、導入が困難な対策なら、対外的にアクションを取ることを検討すべきだ。
    • 脅威にさらされる資産が完全に個人的なものなのであれば、個人としてGoogleに対してそのコストを請求することを考えても良いだろう。この件で損害賠償請求をするのは正当な権利だと思う。
    • 個人的に行動するのに抵抗があるのであれば、あなたが訪ねるべきは町内会長や自治会役員だ。地域住民の間でストリートビューを脅威とみなすコンセンサスを得られれば、自治体を動かすのはけっこう簡単なはずだ。最近話題の東京大田区の空白地域、あれはGoogleが空気を読んだからだという憶測もあるが、もしかするとセキュリティ意識の高い住民が先手を打ってGoogleの侵入を阻止したのかもしれない。地域ぐるみでの抗議には、Googleも耳を貸すだろうし、もし反応が悪ければより上位の自治体にエスカレーションしても良い。少なくともネットでクダを巻いてるよりは、ずっと現実味のある行動だ。

昨年自治会の役員をやった経験から、個人的には最後のアクションをおすすめする。けっこう真剣に対応してくれるはずだ。

ネット上には、カメラの位置を下げればよいとか、人物や屋内を写真に入れないようにすればいいという案があふれているが、すでに膨大なデータが公開状態にあるのに、そんなの悠長な話をしている場合じゃないだろう。それなら地域別に「ここから先はGoogle進入禁止」と線引きしてしまって、少なくとも自宅周辺をガードする方が早くて確実だと思うね。

セキュリティはなぜやぶられたのか
ブルース・シュナイアー
日経BP
¥3,919

本日のツッコミ(全11件) [ツッコミを入れる]

Before...

hidecr [私は部屋見られてみ気にしない人だけど 裸とかそういう前提以前に とにかく見られるのが嫌って人もいるんですよね うちの..]

FB [なるほど、これ読んだつっこみがこれでは 「まったく不毛な話である」だな。]

ただただし [あんたら、よりによってツッコミどころはそこだけかい!(笑) 種明かしをすると、最初の事例は(資産の価値が個々人のもの..]

けめろん [あなたと全く同じ対策を開始していました。ネット上では代議士への働きかけなどの意見もあるようですが、わたしは彼らはネッ..]

 [文章を読み進めて、さらにコメント欄見て、「それでもトンチンカンな意見を言う人々」を見て吹いた。こりゃ頭の痛い問題です..]

えっこわ [なるほど。判りやすい。理解した。]


2010-08-16(月)

tDiary: 下書きプラグイン(draft.rb)を試す

まちゅさんがまた素敵なプラグインを書いてくれた。下書きプラグイン。HTML5のWebストレージ機能を使って、書きかけの日記をローカルに一時保存してくれる。自動で保存されて、最新のいくつかの記事を残して古い下書きは勝手に消えてくれるというデザインがいいねぇ。

さっそく試してみた。最新のtDiary 2.3系では、まさにこういう目的のために編集画面でjQueryをloadしてあるので、やっと有効活用された感じ。

最初、Firefox 3.6.8(Windows7)で試してみたら、自動で保存しているように見えるものの、実際には保存されていなかった。HTML5は実装レベルがブラウザによって異なるので、こういうちぐはぐな状況はもうしばらく続くだろうな。Chrome 5.0.375.126で試したら今度は動いた。

サーバとの通信が発生しないからオンラインじゃなくてもいいし、「うっかり防止」という目的ならこれはベストな解だと思う。もちろんマシンをまたがった運用はできないから、いつも同じマシンで日記を書く人じゃないと「書きかけの日記が別のマシンにある」みたいな悲しい状況になるかも知れないけど(←おれだ)。

そういう場合には同じ手法で、たとえば下書きの保存先としてEvernoteを使えたりするといいかもなぁ。こんなふうに、tDiary(サーバ側)でがんばらなくてもいろいろ拡張できるようになるのはいいことだ。

追記

その後のパッチで、Firefoxでも問題なく動くようになったようだ。

Tags: tDiary

2011-08-16(火)

EPUB→mobi変換はcalibreに限る (または「kindlegen使えねー」)

DevLOVE HangarFlight Experiences』を買った。なにげに達人出版会から初購入。今まで刊行されたラインナップはさすがにとんがった(つまりニッチな)書籍が多くて、ちょっと手が出なかったんだけど、エッセイ集なら手軽でいいね。といってもDevLOVEな人たちの文章は読んだことがない(と思う)ので、どんなものかも知らずに買っているんだけど(笑)。

DevLOVE HangarFlight Experiences DevLOVE HangarFlight Experiences
DevLOVE Pub
836円

で、達人出版会がリリースしているフォーマットはEPUBとPDF、Kindleで読むならもちろんPDF……ではなく、EPUBである。PDFは(やはり)余白が邪魔なので。ただし、EPUBはそのままでは読めないので、mobi形式に変換する必要がある。これができるのも、DRMフリーな達人出版会ならでは。

というわけでEPUB→mobi変換をするわけだが、オーソドックスにやるならまずはAmazon謹製の「Kindlegen」を使う。これを(お好きなOS向けのを入手して)こんな感じに変換すればよい。

%  kindlegen DevLOVEHangarFlightExperiences-0.9.0.epub -o DevLOVEHangarFlightExperiences.mobi -unicode

ただ、kindlegenコマンドのEPUB解釈能力はそうとう低いので、レイアウトの再現性がかなり落ちる。下のスクリーンショットの左側がkindlegenを使った結果のmobiファイルをKindleで表示したものだが、目次の箇条書きがつながってしまっているのがわかる。他にも改行すべきところでされない現象がけっこうあるので、正直使い物にならない*1

で、何を使うかというと、「calibre」である。

[スクリーンショット]kindlegen版(左)とcalibre版(右)比較

普通にGUIなソフトなので、D&DでEPUBを登録し、書籍変換でmobiに出力、あとはKindleに送るだけ。上のスクリーンショットの右側がcalibreで変換したEPUB。かなりいい感じに再現できているのがわかる。というか、calibreの変換能力はかなりすごいと思う*2

これまでも、mobiファイルの配布がなかった初期の「OnDeck」もこれで読めていたし、先日発表になった「Gihyo Digital Publishing」もEPUB3で出す上に推奨閲覧環境としてcalibreを上げているくらいなので、今後はcalibreなしではKindleライフは送れないということになりそうだ*3

Tags: ebook

*1 いちおうAmazonを擁護しておくと、自分でOPFファイルやHTML/CSSを用意してkindlegenでmobiを作る場合は、(癖はあるものの)きちんとしたレイアウトの電子書籍を作ることができる。

*2 ただ(これはkindlegenでも同じだが)「~」が「□」に化けてしまうのは仕方ないのか。自分でmobiを生成する時にはHTMLに「gsub /\uFF5E/, "\u301C"」をかけている。

*3 もちろん、calibre本来の目的である「書籍管理」にも使っていいんだけど、「電子書籍界のiTunes」とはよく言ったもので、動作が重くてストレスたまるんだよねー。


2012-08-16(木)

https://www.amazon.co.jp/dp/9784769910435

(例によって4回応募するとかならず1回当たる)本が好き!抽選献本にあたった。松本零士のイラストが描かれた帯が本来の表紙を押しのけるように存在を主張していて「なんだかなぁ」という感じがしたのだが、中身は正真正銘面白かった。でも松本零士をプロモーションに使うのは間違っていると思うけど。

さて、本書は半世紀以上前に書かれた天文学の啓蒙書で、ターゲットは小学校高学年から中学生。ところが、これがけっこう難しい。中学生の「宙一くん」が星々に導かれて宇宙を旅する、ストーリー的にはファンタジーだが、骨格はガッチガチのハードサイエンスだ。数式はバンバン登場するわ、おまけに読者に自分で計算してみるように促すわと、小学生はおろか中学生にも荷が重いのではないかと心配になってしまうほど。現代でこれを企画したら編集者から数式は除いてくれと言われるに違いない。

だがもちろん、科学に興味のある中学生ならこれくらいがんばってついてくるのだ。作者のそういう出る釘をより高みに引き上げようという心意気が伝わってくる。もちろんいたずらに難しいわけではない。連星系の軌道や質量の計算はすばらしく整理されているし、風船を使って宇宙の膨張を説明するのにこれほど丁寧な解説はいままで読んだことがない。あと、打ち出の小槌で「相対性」を説明するなんてすごい発想。宙一くんと星々の語り合いも楽しいし、一言でいえば「手抜きがない」。これを読んで育った子供たちは幸せだ*1

古い本なので書いてあることはすでにかなり古びている。特に銀河中心への旅を「なにもないから」という理由で中止するなんて今なら「エェー!?」ってところだが、当時はブラックホールがあるなんて知られてなかったし。恒星の一生や銀河の距離など、現在の仮説とはだいぶかけはなれた解説になっていて、当然ながら子供に読ませて良いものではない。だが、科学啓蒙・教育にかけるその姿勢はとても真摯だ。これは理科の教師にちょっと手にとってもらいたいかな。

https://www.amazon.co.jp/dp/9784769910435

Tags: book

*1 で、結果として出てきたのが100%ファンタジーの「999」というのはなんかアレだけど。という意味で松本零士を引っ張りだしたのはミスリードだと思う。


2018-08-16(木)

グスタフ、(だいたい)9歳になる

もう9歳かー。おっさんからお爺ちゃんになりつつあるなぁ。長生きして欲しい。

当人にはなんの変化もないと思うし、あいかわらずかわいいので最近の写真を置いておきますね。

[写真]恒例の湘南直送

[写真]散歩中に「帰ろう?」というと寝転がって抵抗する

[写真]ベッドに腰掛けたら脚の上に頭だけ載せて甘えてきたところ

[写真]腹の上に乗ってひとしきり甘えるのが日課

[写真]「体重計るよ?」と呼ぶと自分から体重計に乗る(7.1kg9

[写真]明るいうちに散歩に行けて満足げ

Tags: gustav
本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]

smbd [ハッピーバースデー! 相変わらず甘々で可愛いですねぇ。いつまでも元気に!]


2019-08-16(金)

デレステ全アイドルのファン数が30万人に到達

[スクリーンショット]ファン数昇順一覧

たんなるメモ。

20万人になったのがだいたい1年前なので、10万人/年という感じか。次のミッションは100万人なので7年後ですね(白目)。まぁとりあえず、ミッション関係なく40万人を目指そう。

途中で新人アイドルが7人も加入したがキツかったけど、営業とライブユニットに常に加えておくことでなんとか追いつかせた。りあむの顔とか早くも見飽きた(笑)。


2021-08-16(月)

新型コロナワクチン接種(2回目)

[写真]接種会場になったラクスル

前回の接種から既定のあいだをあけて、本日2回目*1。あいにくの雨なんだけど、ちょっと涼しいのは助かる。

東京は連日のように感染者数の最高を更新し続けていて(5000人をこえた)、もう都内に出るというだけでリスクなんだけど、こればっかりはしょうがない。都内への滞在時間を極力少なくするしかないから、もう行って帰ってくるだけという。

会場のオペレーションもさらに最適化が進んでいて、きわめてスムーズ。さっと打って、さっと出てきた。このあたり、相当な手間と労力を投入してくれたラクスルのみなさんには感謝しかない。

さて、このワクチン、2回目の方が副反応が出やすいということがだいぶわかっているので、戦々恐々である。いちおう明日・明後日は休めるような算段をしてあるし、解熱剤など事前に用意しておくと良さそうなものは確保してあるけど、なにせ個人差が大きいものなので、いったい自分の身になにがおきるのか皆目見当がつかなくてちと怖いね。

*1 いま気づいたけど、規定では4週間あけるところ、なぜか5週間になってない? まぁたいした問題ではないが。


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